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» 2005年06月23日 21時40分 UPDATE

“雨降って地固まった” トレンドマイクロが復活宣言

トレンドマイクロの代表取締役社長兼CEO、エバ・チェン氏が来日。4月に発生したパターンファイルの不具合によるトラブルを踏まえ、これまでの対応状況を説明した。

[大津心,@IT]

 トレンドマイクロは6月23日、報道関係者向けの説明会を開催し、同社が4月23日に起こした「パターンファイルの作成ミス事件」のその後の対応状況や、今後の取り組みをトレンドマイクロ 代表取締役社長兼CEO エバ・チェン(Eva Chen)氏が説明した。

 この事件は、トレンドマイクロが4月23日7時33分に配布したパターンファイル2.594.00をWindows XP SP2やWindows Server 2003/2003 SP1のマシンに導入すると、CPU使用率が100%になってしまうというもの。その後の同社の説明によると、パターンファイルの作成ミスとテスト工程のミスという二重のミスがあったことが原因だったという(関連記事)。同社では、再発防止のため、同じチェックリストを複数人で確認して、工程ごとに承認する「工程ごとに検証を二重化する」方式を取り入れたという。

チェン氏 ウイルスバスターのパッケージを掲げ、高らかに復活宣言するチェン氏。「雨降って地固まったあとには、輝かしい虹が見えている」と同社の将来像を語った

 チェン氏によると、今回の事件の影響を受けてトレンドマイクロに問い合わせてきたユーザーは、一般ユーザーが全350万ユーザー中0.8%に当たる2万8300件、法人が全11万契約中0.6%に当たる700件に上ったという。同社では、事件後48のウイルスパターンファイルを配信し、2854種類のウイルスシグニチャを追加。対策を強化するために、従来200Gbytes程度だった誤警告バンクを800Gbytesまで拡張したほか、9名のシニアマネージャをフィリピンのラボに派遣し、教育/改善策を実施したとしている。

 また、6月20日には日本IBMと共同で、トレンドマイクロのパターンファイルを配信前にIBMがテストするテストセンターを設立したほか、プロシードによる監査も受け入れ、外部による監査・監視体制を強化し、事故の再発防止に務めていると説明した。

 フィリピンのラボでは、ハードウェアを1000台規模に増強し、各OSのバージョンにおけるさまざまな検証作業を自動化し、検証プロセスにおける検査時間を20分程度にまで短縮したという。また、監視体制・教育体制やダブルチェック体制の拡充によってより精度の高い検証を実現したとしている。

 チェン氏は、続いて最近同社が買収したスパイ対策ソフトウェアのIntermute(インターミュート)や、IPフィルタリングサービスのKelkea(ケルケア)を説明。両社を買収したことにより、メモリ上のスパイウェア検出技術やスパムメール対策ソリューションなどを次期製品に盛り込めるとし、今後もウイルスバスターの機能を拡張していくと強調した。また、両社を買収したことによってトレンドマイクロの研究機関が拡大した点も説明。ケルケアのスパムメール研究施設や、インターミュートのスパイウェア研究施設が新たにトレンドマイクロの研究機関として加わった。

 同氏は、ウイルスバスターの次期バージョンではインターミュートのスパイウェア対策機能やケルケアのスパム対策機能を追加すると明言。さらに2006年には、CISCO NACや企業向け新EPSの提供や、過去にさかのぼってダメージリカバリできるソフトウェアなども提供するとしている。

 チェン氏は最後に「困難がいろいろあったが何とか乗り切ることができた。現在はプロセス改善の技術革新に全社を挙げて取り組んでいる。“雨降って地固まる”のことわざの通り、乗り切った先にはよりセキュアな体制が築けたと思っている」と現状を説明。「当社は事件当時から常に正直にミスを告白し、情報を逐次開示してきた。セキュリティの世界に“NEVER”はあり得ないが、従来よりは強固な体制が築けたと思う。その自信の表れとして、7月11日からまたパターンファイルのデイリーアップデートを再開する」と語り、高らかに復活宣言した。

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