Officeのアップグレード促進、Microsoftはパートナーを積極活用へ

ミネアポリスのWorldwide Partner Conference 2005でMicrosoftは、Officeユーザーにアップグレードを促すと同時に、新規販売を拡大するためにパートナーコミュニティーを積極活用する方針を示した。(IDG)

» 2005年07月11日 10時32分 公開
[IDG Japan]
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 Microsoftは、プロダクティビティスイート「Office」のユーザーにアップグレードを促すと同時に、Officeの新規販売を拡大するために、パートナーコミュニティーを積極的に活用する方針だ。これは、ミネソタ州ミネアポリスで開催されたMicrosoftのWorldwide Partner Conference 2005で、同社の幹部が明らかにしたもの。

 Microsoftのインフォメーションワーカー(IW)製品管理グループのコーポレート副社長を務めるクリス・カポセラ氏は、多数の顧客がOfficeスイートをアップグレードしていないことを認めている。現在のビジネス環境では、今使用している旧バージョンでも十分間に合うと考えているからだという。

 「Office 97やOffice XPなどの従来版がユーザーに好まれていることは、われわれの成功だが、われわれ自身がその成功の犠牲になっている」とカポセラ氏は話す。

 「新しいバージョンのほうが遙かに優れていることをユーザーに納得させるのは困難だ。なぜなら、彼らは現在使っている製品に十分満足しており、その製品が期限切れになることはないからだ。ソフトウェアは消滅したりはしない」(同氏)

 カポセラ氏によると、MicrosoftではOffice 2003へのアップグレードを促すために、Office上で動作するソフトウェアを販売/開発するパートナーの数を4倍に増やす計画だという。

 「職場環境が変化したため、古いツールでは必ずしも十分でないことをユーザーに示すのがわれわれの任務だ。われわれはパートナーの生態系の拡大を目指して努力するつもりだ」(カポセラ氏)

 カポセラ氏によると、現在、Microsoftのパートナープログラムでインフォメーションワーカー(IW)を注力分野とするパートナーは約700社存在するという。IW分野の要となる製品がOfficeである。「これらのパートナーの数がもっともっと多くなる必要があると考えている」と同氏。

 また、Microsoftのパートナー全体のうち約1700社が自社製品でOfficeと連携しているという。カポセラ氏は、この数も5000ないし6000社に増やしたいとしている。

 さらにMicrosoftでは、IW製品の販売に専念するスタッフを2倍以上に増員する方針だ。現在の担当スタッフは450人だが、2006会計年度には1000人以上に増やす予定だ。同社の2006会計年度は7月1日にスタートした。

 MicrosoftはOffice 2003へのアップグレードをユーザーに促す一方で、同スイートの次期バージョン「Office 12」や、IW部門のそのほかの新製品についても宣伝している。

 Microsoftはカンファレンスで7月8日、Office 12のデモを初めて公開した。このデモで同社は、XMLとブラウザを使用してOfficeでフォームに記入したりフォームを送信したりする機能が強化されたことをアピールした。同社は先月、Office 12ではXMLが標準のファイルフォーマットになると公表した。

 Microsoftは、IW部門の新製品「Small Business Accounting 2006」も披露した。この製品(9月にリリースの予定)は、小規模企業がOfficeスイートを利用して会計処理を行うことを可能にするという。

 また同社は、これまで「Maestro」のコードネームで呼ばれてきた製品の正式名称も公表した。「Microsoft Office Business Scorecard Manager」と名付けられたこの新製品は、Portal ServerとSQL Serverを利用して、ビジネス目標と実績を一致させることを可能にするビジネスインテリジェンスソフトウェアである。

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