宇宙船デザイナーも登場、多彩なゲストが技術革新を語るBEA World 2005 Santa Clara Report(1/2 ページ)

「BEA World 2005」では、BEA Systemsの緊密なパートナーであるIntelとHPのほか、1000万ドルの賞金を獲得したSpaceShipOneのデザイナーも登場した。

» 2005年09月28日 18時35分 公開
[渡邉利和,ITmedia]

 米国時間の9月27日に開幕した「BEA World 2005」では、BEA Systemsの緊密なパートナーであるIntelとHewlett-Packardも基調講演を行っている。

 Intelのリチャード・ウィート副社長は「Intel Senior Fellow」という肩書きも持ち、同社のフェロー、45人を束ねる立場にある。ウィート氏は午後の基調講演に登場し、Intelの立場から今後の技術革新の方向性や同社の戦略について話した。

ソフトウェア&ソリューショングループのGM、ウィート副社長

 ウィート氏は、これまでの技術の発展経緯と今後の展開について、「Wi-Fiの急速な普及から、次世代のWiMAXへ」「GHz達成競争による急速な周波数向上から、次世代のマルチコアプロセッサへ」「RFIDの普及による、エッジから情報収集し、企業の中核から発するインテリジェンスをエッジまで到達させる」という3つの大きな技術的な動向を紹介した。

 さらに、Intel社内でもSOA(サービス指向アーキテクチャー)への取り組みが開始されていることに言及し、開発に要する時間を50%短縮し、開発コストを30%低減することができるとの期待を示した。

 こうした動向を踏まえ、Intelは「Service Oriented Enterprise」(サービス指向エンタープライズ)の実現に向けて技術革新を進めていくという方針を改めて強調した。また、従来の「チップを中核にした企業」から、プロセッサや周辺チップセットなどを統合した「プラットフォームを提供する企業」への脱皮を図っていることも念押しした。

Intel、HPらが基調講演に

 続いて登壇したHPのロス・ダニエルズCTOは、同社のソフトウェア事業の概要を紹介し、「HPという企業の一部門であるため、その規模はあまり知られていないが、HPの研究開発投資の約半分がソフトウェア分野に費やされており、年間のソフトウェアによる売り上げは10億ドルほどに上る」という状況を説明した。その上で、同氏は現在ユーザーから求められている次世代の3つの大きな動向として、「コンプライアンス」「ユーティリティーコンピューティング」、そして「SOA」を挙げた。

基調講演に登場したHPのダニエルズCTO

 コンプライアンスに関しては、企業にとってのリスク管理の問題であると同時に、プライバシー保護の問題でもあり、早急な対応が求められているとした。また、ユーティリティーコンピューティングに関しては、決して新しいコンセプトではないが、最近になってようやく現実的なレベルに達しつつあるという認識を示し、仮想化と自動化のさらなる発展によって達成されるとした。

 SOAに関しては、プロジェクトごとに個別に開発され、1つのアプリケーションに対して1つのサーバとストレージを割り当てていく分断された「サイロ型」のアプリケーションが現在の主流だが、これを「共有された」「仮想化された」「モジュラーアーキテクチャ」に基づく「Service Oriented」(サービス指向)に変えていく必要があるとした。

 その背景には、ITの利用価値を高めていくために、ビジネスとITを直接接続したいというユーザーからの要求があるからだという。そこでHPはSOAに積極的に取り組むと同時に、特にガバナンス(統制)とセキュリティのインフラを提供することに注力していくとの方針も明らかにされた。

宇宙船デザイナーも登場

 夕方には、ゲストスピーカーとして招かれたバート・ルータン氏の講演も行われた。同氏は「ANSARI X PRIZE」に挑戦して1000万ドルの賞金を獲得したSpaceShipOneのデザイナーだ。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ