これに対して、ERPで構築するグローバルシステムの考え方では、各拠点が共通して利用する1つの論理的なシングルインスタンスシステムを構築する。これは、グローバルで統一されたデータ標準、ビジネスプロセス標準によるビジネスモデルをコアとし、各国で異なる会計制度や商習慣を1つのシステムに包含し、そのすべてを本社で集中コントロールする「グローバルシステム」だ。
グローバルシステムとテンプレートベースで各国に展開する手法との違いは、本社の集中コントロールの下でコアシステムが成長し、さらなる標準化を推進できること。グローバルシステムはテンプレート方式よりシステム初期導入コストは高くなるが、一方で、保守運用コストは低くなり、TCOを削減することが可能になる。
たとえば、ERPのバージョンアップもグローバルで一括で行うことができる。ビジネスの変化に対応するための共通部分への変更も行うことができる。むしろ、ビジネスモデルの標準化は、導入時に一度実行すれば終わりというものではなく、継続してブラッシュアップしていくべきものであり、そのためには本社の集中コントロールが必要なのだ。
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