2005年の「オープンソース・ビジネス・アワード」が発表 受賞者は……

OSCARアライアンスは、「2005年オープンソース・ビジネス・アワード」の受賞者を発表した。「ニユートーキヨー」「福島情報サービス」「青森県情報サービス産業協会」が受賞している。

» 2005年12月12日 18時58分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 NPO法人OSCARアライアンスは12月12日、「2005年オープンソース・ビジネス・アワード」の受賞者を発表した。今回受賞した企業、団体は、「ニユートーキヨー」「福島情報サービス」「青森県情報サービス産業協会」。

今年の受賞者。左から「ニユートーキヨー」「福島情報サービス」「青森県情報サービス産業協会」の代表者

 ニユートーキヨーは、同社の子会社であるエヌティー・トレーディング・コーポレーション(NTC)の販売・在庫管理システムを再構築し、12月にオープンソースソフトウェア「Olut」として公開されたことが受賞理由となっている。同社は過去にも受発注システム「Cerveza」、座席予約システム「GARAGARDOA」をオープンソースソフトウェアとして公開、2004年度のアワードでは、GARAGARDOAを使ったシステムでモンテローザが受賞している(関連記事参照)

 システムインテグレーターである福島情報サービスは、須賀川東部運送の業務システムをIBMのeServer iSeriesのi5/OS上でLAMPスタックを用いて構築したことが評価されての受賞となった。論理パーティション上にLinuxを導入するのではなく、OS/400上でのAIXの実行環境である「PASE」上でApache、MySQL、PHPなどを稼働させている。

 青森県情報サービス産業協会は、地域雇用の活性化を狙ったオープンソースソフトウェア技術者育成事業が評価された。LAMP技術の基礎だけでなく、ソースコードの改修手法にまで踏み込んているほか、OJTも組み合わせることで実践的な技術者を育成し、地域に根ざした中小ベンダの活性化を図っている。

 同協会専務理事の薄木浩氏は、「オープンソースソフトウェアによるシステムの構築はそれほど珍しくなくなったが、汎用機からオープンソースを用いたシステムに移行することはまだまだ難しく、ビジネスとして勝負できる領域」と話し、そのために十分な数の技術者の確保が必要であるという。

 「オープンソースをうまく使うことで、システム構築にかかる費用は3分の1程度までは確実に削減できる。青森県でのオープンソース関連の技術者は200人程度かと思うが、これではまったく足りない。今回受賞した取り組みを通してこの数を2000人、3000人と増やしていくことで、地方でも勝負していける」(薄木氏)

 ビジネスにおけるオープンソース活用の推進において、その年に「最も」活躍した企業/団体/個人を表彰する同アワードは今回で4回目となる。今回ノミネートされたのは全11件で、受賞者はいずれもOSCARの参加メンバー企業であったり、OSCARアライアンスの支援を受けている。今後は、OSCARアライアンスに関連しない事例からも受賞者が現れることを期待したい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ