SAPジャパン、プラットフォームへの注力で大幅なライセンス増を見込む

SAPジャパンは2006年度における戦略について説明する記者発表会を都内で開催した。

» 2006年01月30日 21時45分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 SAPジャパンは1月30日、同社の2006年度における戦略について説明する記者発表会を都内で開催した。

 2010年に向けた長期的な目標に向けて、メインフレームからERPへの移行があまり進んでいない金融、公共、小売りを中心とした分野への注力、中堅企業の支援、同社が掲げるSOAプラットフォームであるESA(Enterprise Service Archtecture)の推進などを掲げている。同社のロバート・エンスリン社長は、2010年に「カスタマーベースは4倍、売り上げの50%は新しい製品から出てくる」という強気の見通しを示している。

日本版SOX法の施行や、2007年問題などの外部環境の変化も同社にとってビジネスチャンスになると話すエンスリン社長

 また同氏は、2005年のビジネスを振り返り、「2005年は2001年以来の最高の年だった」と話す。2005年のソフトウェア関連の売り上げは前年比で8%増、また、通年の総売上は7%増となり、不振だった前年度(前年度比15%減)と比較して、業績が改善していることを示す形となった。

 同氏は、「国内で1300社以上、アプリケーションライセンスの売り上げは日本オラクルの5.8倍に達する。また、企業買収による成長ではない」と話し、日本のERP市場をリードする存在であることを改めてアピールしている。

2006年の戦略ポイント

 SAPジャパンが2006年に注力する点として、顧客のビジネスの観点からシステムを考える「バリューエンジニアリング(VE)」の充実による顧客へのビジネス価値提供、SDN(Sap Developer Network)やPBN(Powered by SAP NetWeaver)をベースにした「パートナーとともに成長する戦略」、人材の最大限の活用、プラットフォームを基盤にモジュール化されたアプリケーションを提供することなどを挙げている。

 ポイントは、NetWeaverを中心にしたプラットフォームへの注力だ。アプリケーションレイヤーだけでなく、プラットフォームを含めてビジネスを強化していくことで、2006年はライセンス売り上げを15〜17%成長させると、エンスリン社長は話している。

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