FOSSプロジェクトを法の庇護下に置くSoftware Freedom Law CenterTrend Insight(2/2 ページ)

» 2006年04月07日 11時00分 公開
[Joe-'Zonker'-Brockmeier,japan.linux.com]
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束縛されることはない

 ラビチャー氏によると、SFCが参加プロジェクトに対して料金や寄付の分け前を要求することは一切なく、プロジェクトはいつでも自由にSFC から脱退できるという。また、彼は、SFLCのクライアントにはSFCに参加する義務がないことを強調して、SFCへの参加はプロジェクトが最終的に独自の非営利組織へとスピンオフするための出発点になり得るものだ、と話している。

 唯一、重要な条件といえば、SFCを通じて集めた資金を、例えば、政治目的に使うなど、非営利組織に反する目的で利用しないことだ。

 この点を除けば、プロジェクトは以前と同じように自由に活動できる、とラビチャー氏は説明する。また、SFLCがプロジェクトのソフトウェア著作権の強化に積極的に協力しても、権利はプロジェクトに帰属したままになる、とラビチャー氏は語っている。「だから、プロジェクトは自由にこの保護団体に出入りできる。支払いもなければ、制約もない。脱退したくなったらそうすればいい」

 では、SFLCはこの保護団体の運営にかかる費用をどうやって捻出するのだろうか?  ラビチャー氏によると、運営コストはそれほどかからないらしい。「この保護団体の活動は法律センター(SFLC)の弁護士によって行われるため、新たに人を雇い入れることはない。法律センターには、申請手数料の200ドルを支払う程度だ」また、SFLCの収入については、SFLCが独自に資金を調達するのでプロジェクトが気に懸けるようなことはない、とラビチャー氏は説明する。

 ランドレイ氏は、仲間の開発者が嫌がれば、すぐにSFCを脱退できる点が気に入っている、と述べている。「彼ら(開発者)が脱退できる限り、参加の契約書にサインしてもそれほど不利益を被ることはない。脱出口が用意されている限りは、いいことづくめだ」

参加できるのは誰?

 この保護団体への参加は、特に難しくはない。ラビチャー氏によると「FOSSプロジェクトとしての継続を書面で約束するなら、どんなFOSS プロジェクトでも」参加資格があるという。「参加までの手続きは、われわれに連絡の上、議題に自由に選んでもらってディスカッションを行い、プロジェクトと SFCとの間の契約にサインしてもらうだけ」とのことだ。

 契約の時点で、FOSSプロジェクト側は「活動に際してわれわれへの指示が認められる」メンバーを決定する必要がある、とラビチャー氏は述べる。「銀行口座のようなものだ。帳票にサインできるのは誰で、彼らからの指示をどうやって受け取るか決めるのに似ている」という。

 また、ランドレイ氏は、SFLCには「優秀な弁護士が揃っているので、細かいことを逐一伝える必要ない」と話している。

 「この保護団体に参加しているのは、彼らを信用しているからであり、われわれのライセンスを守るための代理人の依頼が容易になり、それでいてほとんど手間が掛からなかったからだ」

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