SQL Server 2005がデータベースミラーリングを提供、クラスタリングを代替するSP1（3/3 ページ）

[Chris Alliegro，Directions on Microsoft]

Reporting Services
　SQL Serverのレポーティングエンジンで、開発および管理ツールでもあるReporting Servicesの機能限定バージョンにより、開発者はExpress Editionで軽量なWebベースの管理レポーティングアプリケーションを構築したり、レポーティング機能を埋め込んだカスタムアプリケーションを開発することが可能になる。ただし、Express EditionはReporting Servicesの一部の機能しかサポートしていない。例えば、Express Editionのレポートサーバが作成できるレポートは、ローカルのExpress Editionインスタンスに格納されたリレーショナルデータベースに限定される。また、Express Editionはレポートを電子メールで配布することはできず、HTML、Adobe PDF、Excel以外のフォーマットにも対応していない。

フルテキストサーチ
　SQL Server 7.0の機能として1998年に導入されたフルテキストサーチは、SQL Serverテーブルに格納されたテキストの効率的な検索を可能にした。フルテキストサーチは、T-SQLの機能を拡張し、検索条件に適合するテキストを検索するために最適化されている。特定のフレーズや単語の検索に加え、異なる時制の動詞など、関連する単語の検索も可能だ。フルテキストサーチを搭載したことで、Express Editionで開発できるアプリケーションの幅が広がった。例えば、開発者はフルテキストサーチを利用して、電子コマースWebサイト内の製品説明を検索できるようにしたり、特定のデータベースに管理、格納されたドキュメント（報道記事や法律関係の書類など）の検索を可能にすることができる。

入手方法と関連資料

　データベースミラーリングは、SQL Server 2005の初期リリースから落とされたが、ユーザーはテスト目的でこの機能にアクセスすることはできた（Microsoftはプロダクション環境での利用をサポートしなかった）。しかし、2006年4月にリリースされたSP1で、SQL Server 2005ユーザーはフルサポートのデータベースミラーリングを利用することが可能になった。ただし、この機能はStandardおよびEnterprise Editionのみで利用できる。クラスタリングソリューションの場合と同様、ミラーリング以外の目的で利用しない限り、ミラーリングコンフィギュレーションの予備サーバにSQL Serverライセンスを別途用意する必要はない。

　無料のExpress Editionをダウンロードする場合、ユーザーにはいくつかオプションが提示される。最もベーシックなオプションは、SQL Server Express Editionの本体のみのダウンロードで、Management Studio ExpressやReporting Services、フルテキストサーチは含まない。そのほかに、Management Studio Expressを含むダウンロードが可能だ。そして第3のオプションは、Express Edition with Advanced Servicesと呼ばれるダウンロードで、Reporting Servicesやフルテキストサーチ、Management Studio Expressをすべて含む。ただし、Reporting Servicesを利用してレポートを作成する場合、ユーザーはReporting Servicesの開発ツールを含むExpress Edition Toolkitをダウンロードする必要がある。