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» 2006年06月13日 14時00分 UPDATE

シンクライアントの真価を問う:シンクライアントの特徴とは? (1/5)

シンクライアントとはそもそもどう定義すべきものなのか。「端末」の変遷を踏まえながら、その特質を探っていこう。

[宮本久仁男,ITmedia]

本記事の関連コンテンツは、オンライン・ムック「シンクライアントの真価を問う」でご覧になれます。



 業務のIT化が進むにつれて、ユーザーの手元に置かれるパソコン類は、従業員一人ひとりにとってなくてはならないものになった。これらはユーザーから見れば「パソコン」(PC)だが、システムにおいては個々のユーザーが操作する機器は「端末」と呼ばれる。

 本稿のテーマであるシンクライアントも「端末」の一種だが、シンクライアントについて説明していく前に、まず「端末」そのものの変遷を簡単に解説しよう。

端末の変遷

●ダム端末

 最も古い時期から利用され、しかも今のPCに近い形態をなしている端末の1つに「ダム端末」(dumb terminal)がある。構成は、

  • 出力装置:ディスプレイ
  • 入力装置:キーボード

という形だ。

 業務内容によってはこれ以外に、「ライトペン」や「磁気カードリーダ」といった周辺機器が接続されることもある。この構成だけを見ると、今のPCに近い形態だ。しかし実際にダム端末に実装されていた「機能」は、

  • 主処理を行うコンピュータとの通信機能(チャネル接続/シリアル接続ほか)
  • キーボードからの入力を受け取り、上記通信機能を介して主処理を行うコンピュータへ渡す機能
  • 上記通信機能を介して主処理を行うコンピュータから情報を受け取り、ディスプレイに表示する機能
  • その他、端末の通信機能などを設定する機能

などである(図1)。

図1 図1●ダム端末の仕組み

 ダム端末の中には、ディスプレイ表示や通信を行うため、端末そのものが演算装置(CPU)を持ったり、通信速度や通信規格を設定するための不揮発性メモリを持つケースもあった。しかし、端末上で「ユーザーが意図した任意処理」や「端末に何らかのプログラムをダウンロードさせてそれを実行」させるというような機能は持たなかった。当然、端末側に使われるCPUも、主処理を行わせるコンピュータのCPUからするとはるかに安価、かつ低い性能のものであった。

 このことから分かるように、ダム端末は、高価な計算機資源を複数のユーザーで「対話的に」利用するために使われていたのである。

●PC(クライアント/サーバシステムにおける端末)

 時代が進んでPCが普及してくると、このPCを端末として活用しようという動きが出てくる。

 具体的には、上記のダム端末相当の機能をソフトウェアで実現するものと、それまで主処理を行わせるコンピュータ(このころからこの種のコンピュータは、一般的に「サーバ」と呼ばれるようになった。以後「サーバ」と称する)が行っていた処理を一部端末(クライアント)に任せるようになってきた。例えば、

  • サーバは顧客のリストをCSV形式でクライアントに引き渡す
  • クライアントは受け取ったCSVの内容を整形し、カード型のインタフェースで表示させる

というようなシステムがクライアント/サーバ(C/S)システムの典型例だろう(図2)。

図2 図2●クライアント/サーバシステムの仕組み

 ダム端末では、このような処理を実行したり、カード型のインタフェースをまた別のインタフェースに入れ替えたりという処理は困難である。ダム端末の場合、サーバ側で処理の作り込みや入れ替えを行うが、端末側のプログラムを変更できるようにすれば、より自由度の高い処理を実現できる。また、このような形で処理を分散させることで、サーバコンピュータ側の必要性能を下げることも可能になる。

 このことから、C/Sシステムは従来型のシステムに比べ、ユーザビリティの向上とトータルコストの低減を志向したアプローチだといえる。

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