データベースを自動メンテする!――オートノミック管理とは?進化する!データベーステクノロジー(1/3 ページ)

 リレーショナルデータベースの元祖となったSystem Rから発展したIBMの「DB2」。商用データベースの2番目のリリース(Database 2)という意味で名付けられたDB2だが、現在のIBMソフトウェアにおいて重要なブランドであり、データベースだけでなく、コンテンツ管理やビジネスインテリジェンスなど、情報管理を担うミドルウェアの総称となっている。「IBM DB2 Universal Database V8.2」(DB2 UDB V8.2)は、DB2ブランドにおけるデータベースソフトウェアの最新版として、2004年8月に発売され、オートノミックコンピューティングに対応したデータベースとしての管理機能が大幅に強化されている。

» 2006年06月16日 07時00分 公開
[ITmedia]

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オートノミック(自律)機能で管理作業を効率化

 DB2 UDB V8.2では、従来のV8.1に対して200以上の新機能が提供されている。中でも、他社のデータベースにないDB2 UDBの特徴としてIBMが強調しているのが、システム自身が障害発生を予兆、検知して自律的に修復するというオートノミック(自律型)機能である。そのオートノミックコンピューティング機能として、新たに搭載されたのが、設計アドバイザやオートノミックオブジェクトメンテナンス機能などだ。

 設計アドバイザは、データベース管理者が最適なデータベース設計を決定するのに役立つもの。ワークロード、データベース、ハードウェア情報を用いてデータベースオブジェクトの最適な設計を推奨し、データベースの設計プロセスを大幅に単純化できる。

 オートノミックオブジェクトメンテナンス機能は、テーブル再編成、統計収集、データベースバックアップなどのポリシーベースの管理および保守機能を自動的に実行する機能だ。

 このほか、オートノミック機能を支援するための管理機能が大幅に拡張されている。例えば、バックアップおよびリストア操作のためのバッファ数、バッファサイズ、並列処理設定を自動的に選択できるセルフチューニングバックアップ/リストアをサポートしたり、Configure Automatic Maintenanceウィザードにより、ユーザー定義のポリシーに基づいたデータベース保守を自動化したりしている。

 また、トラブルシューティングを行うためのツールであるヘルスセンターでは、メモリ不足や表スペースが一杯になるといったデータベースが致命的な状況に陥りそうになったときに、事前にメールや携帯端末にアラートを送り、修正アクションを実行する機能を提供する。

データベースのパフォーマンスチューニングを行う「パフォーマンス構成ウィザード」
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