想像をはるかに超える利用者のマメさ新たな情報手段「ブログ/SNS」の現状とこれから 第2回(1/2 ページ)

急速に利用が増え続けるブログやSNSについて利用者側の観点を客観的にとらえた調査として、NEC総研が3月に実施したアンケート調査「ブログ・SNS利用動向調査」(※1)がある。その結果の一部を報告する。

» 2006年07月14日 08時00分 公開
[成川泰教(NEC総研),アイティセレクト]

 アンケート調査ではインターネットを用い、ブログとSNSの2つのサービスについて実際に自己表現や情報発信、参加という意味において能動的に活用している生活者800人をあらかじめ特定した。特徴として、ブログあるいはSNSのいずれか一方だけを利用している人と、両方を利用している人という3つのグループを想定し、それぞれ同じ人数を集めてある。ブログとSNSはサービスや機能の点で似ているところが多いため、そのようにグループ分けすることでグループ間の比較を可能にし、ブログやSNSの使い分けや区別について生活者の意識と行動を調べることができると考えた。

 基本属性の内訳は、男女比を半々とし、それぞれを4つの年齢層に分けた。調査項目では、サービス事業者別の動向に関する視点は極力排し、ブログやSNSというサービス一般の固有の機能に関する質問を中心に、両者の類似性にも配慮する形で設定した。質問群はそれぞれのサービスごとにまとめ、両方のサービスを活用しているグループには両方の質問群について回答を得てある(以下、特に断り書きがない限り、「ブログ利用者」「SNS利用者」はそれぞれ、両サービスの利用者も含む)。

ブログで7割、SNSで5割弱が1週間に複数回更新

調査結果から、まずエントリーや日記の状況を見ることにする。

 ブログでは記事に相当する「エントリー」がコンテンツのメインであり、SNSには各サービスに共通して「日記」の機能がある。それらは参加者が自己の表現を行う場で、それぞれのサービスにおける重要な要素となっている。利用者はそうした機能をどのように楽しんでいるのだろうか。

 まず書き込みを行う頻度について聞いたところ、ブログのエントリーを更新する頻度が「1週間に2回以上」という人は全体の7割を超えた。「毎日」と答えた人だけでも同2割以上いた。一方、SNSの日記については「1週間2回以上」とする人は半数弱にとどまっている。これは、個人で運営する性格の強いブログと、参加者相互の情報発信に依存する割合が高いSNSの違いを反映したものと考えられる。ちなみに、SNS利用者がサービスにアクセスする頻度を尋ねてみると、「毎日」とする人が全体の7割弱、「1日に3回以上」アクセスしている人となると同4分の1という結果だった。いずれにしても、利用者たちのマメさは、想像をはるかに超えるものだった。

 では、彼らは一体何を書いているのか。「多様性」はCGM(※2)の面白さでもあり、同時につまらなさでもある。果たしてこの質問から、どれだけ意味のある結果を得られるか、アンケートの企画段階でも意見が分かれた。最終的には典型と思われる内容について、ブログ・SNSに共通する11個の選択肢を設け、複数回答で問うてみた。それぞれについての単純集計結果は下グラフのとおりである。

NEC総研「ブログ・SNS利用動向調査」より設問「エントリーや日記にどういった内容を書くことが多いか?」の回答結果
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