Vistaで何が変わる? Expressionでデザイン分野に参入オンライン・セミナー

リッチなWebアプリケーションではアドビシステムズの後塵を拝するマイクロソフトだが、デザイナーと開発者が効率良く連携しながらアプリケーションを構築できるツールが提供できれば、ゲームは変わるはずだ。

» 2006年07月25日 07時00分 公開
[ITmedia]

 5年ぶりのメジャーアップグレードとなる「Windows Vista」は、ウインドウが透けて見える「Windows Aero」やセキュリティの強化などが特徴だ。新しいユーザーインタフェース(UI)では、ウインドウのタスクバーとフレームが半透明になり、下のウインドウの内容などが透けて見えるようになる。

 マイクロソフトでは「視覚面の美しさに加え、作業の効率アップも図ることができる」としているが、それには新しい機能を活用したアプリケーションの登場が欠かせない。同社では、Visual Studioを補完する、WebとWindows Vistaプラットフォーム用のコンテントデザインツール、「Expression」シリーズも準備中だ。

 マイクロソフトがデザイン分野への参入を目指す背景には、デザイナーと開発者が連携し、新しいユーザー体験をもたらすアプリケーションの開発を促進したいという狙いがある。

 これまで豊かなユーザー体験をもたらすWebアプリケーションの開発ツールといえば、旧Macromedia(現在はAdobe Systems)のデザインツールの独壇場だったといえる。デスクトップのOSは独占的に獲得したものの、より多くの人の目に触れるWebアプリケーションでは思うように行かない。

 しかし、デザイナーと開発者との距離はかけ離れている。デザイナーはアプリケーションがユーザーに与える感情面に重きを置くが、一方の開発者はアプリケーションの機能的な側面を重視し、デザイン的なセンスは持ち合わせてない。そんな両者が効率良くコラボレーションしながらアプリケーションを構築できるツールが提供できれば、ゲームは変わるはずだ。

 マイクロソフトがVista以降を睨んで準備中のExpressionツールは、イラストレーション/ペインティング/グラフィックデザインツールの「Expression Graphic Designer」、デスクトップ/Webアプリケーション向けのリッチなUIを開発するためのデザインツールの「Expression Interactive Designer」、リッチなユーザー体験を提供するWebサイトを構築するためのデザインツールの「Expression Web Designer」の3種類から構成される。

 また、マイクロソフトは6月、これまで「WinFX」と呼んでいたVistaのプログラミングモデルの名称を.NET Frameworkに一本化させ、「.NET Framework 3.0」とすることも明らかにしている。名称変更そのものにあまり意味はなく、WinFXが.NET Frameworkの次期バージョンというのは既定路線だった。

 .NET Framework 3.0は、次の4つの主要な要素で構成される。「Windows Presentation Foundation」(WPF)、「Windows WF」、InfoCardと呼ばれていた「CardSpace」、そしてIndigoとも呼ばれている「Windows Communication Foundation」(WCF)の4つだ。

 このうち、Avalonとも呼ばれているWindows Presentation Foundationが、デザイナーと開発者との間のより良いコラボレーションを可能にする統合型のコンテントおよびアプリケーションモデルだという。

 なお、ITmediaでは7月25日、オルタナティブ・ブログのブロガーを対象にした出張ワークショップ、「Microsoft ON@ITmedia オルタナティブ・ブロガー」を開催し、その模様を「オンライン・セミナー」としてライブ中継する。新しくWindows Vistaに搭載されるプレゼンテーションテクノロジー、Windows Presentation Foundationを活用すれば、どんなことができるのか、どのようにつくることができるのか、Visual Studioや新しいデザインツール、Expressionのデモを交えながら紹介する。

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