マサチューセッツ州のOpenDocument導入、完全移行はまだ先?

ODF導入は「障害者による情報アクセスに配慮しながら」進めると表明。結果として、しばらくはMicrosoft Officeとの併用が続くことになる。

» 2006年08月26日 07時45分 公開
[ITmedia]

 オープンソースの文書フォーマットOpenDocument Format(ODF)への移行の先駆けとして注目される米マサチューセッツ州だが、障害者への配慮から、しばらくはMicrosoft Officeとの併用を続けることが、同州の情報統括責任者(CIO)による8月23日付発表で明らかになった。

 マサチューセッツ州では、公式書類のフォーマットとしてODFを使用し、Microsoft Officeの利用を段階的に縮小していく計画を、2005年に発表している。これに対し障害者擁護団体などは、Microsoft Officeの方が障害者が利用しやすい機能が充実しているとして、懸念を表明していた。

 23日の発表では、同州が「障害者による情報アクセスに配慮しながら」引き続きODF導入を進めていくとしている。具体的には、Microsoft Officeのプラグイン機能やフォーマット変換技術を使用することで、障害者による情報アクセスを確保していくというもの。ODFを標準フォーマットとしながらも、当面はMicrosoft Officeを併用することになる。

 ODF普及を目指す団体「ODF Alliance」は、こうした動きに対し、「マサチューセッツ州が、障害者による情報アクセスの改善に努めながらも、引き続きODF移行計画を進めていることを称賛する」とのプレスリリースを8月25日に発表している。

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