先輩から学ぼう、みんなで考えよう、「女性エンジニアの生きる道」Women In Technologyルポ(1/3 ページ)

「Women In Technology」というタイトルを冠した、女性エンジニアを対象としたランチョンミーティングがTech・Ed 2006 Yokohamaの最終日に開催された。IT業界の中では少数派に属する女性エンジニアだが、業界で先駆者的に活躍してきた女性リーダー2名を中心に、白熱したディスカッションが展開された。

» 2006年09月07日 08時00分 公開
[吉田育代,ITmedia]

 Tech・Ed 2006の最終日、「Women In Technology」というタイトルを冠した、主に女性エンジニアを対象としたランチョンミーティングが開催された。これはマイクロソフトとしては初めての試みで、IT業界の中では少数派に属する女性エンジニアに、ネットワーキングの場を提供したいという目的から実現されたものだ。今回は筆者もテーブルの一角に陣取り、参加者の1人としてイベントに加わってみた。

 一度、米国で開かれたカンファレンスでこのようなランチョンミーティングに参加したことがある。そのとき、参加者は圧倒的に女性が多く、男性は1テーブルに1人いるかいないかといった状況だった。しかし、今回は男性の比率が高い。百数十名近い参加者のうち3分の1は男性ではないだろうか。筆者が座ったテーブルは6人のうち3人が男性だ。日ごろ女性エンジニアが何を考えて働いているかは、男性エンジニアにとっても高い関心事なのかもしれない。

女性エンジニアを中心に盛り上がりを見せる会場

女性エンジニアの存在は不可欠

 まず演台に立ったのは、マイクロソフト ディベロッパー&プラットフォーム統括本部 執行役統括本部長の鈴木協一郎氏だった。鈴木氏によると、今回このようなイベントを催した背景には大きく3つの思いがあるという。

 1つ目は、IT業界がIT技術者と才能をまだまだ必要としており、ますます発展の一途をたどるこれから10年に、優秀なスキルを持った女性エンジニアの存在は不可欠であること。

 2つ目は、デジタルライフスタイル、デジタルワークスタイルといった生き方が提案され、ソフトウェアも多様化が求められており、そういったソフトウェアを開発するには多様な視点が必要で、その意味でも女性エンジニアの存在が欠かせないこと。

 3つ目は、IT業界はさまざまな働き方を受け止める基盤を持っており、女性が活躍できる業界であること。しかし、その最適解については、まだマイクロソフトが回答を持っていないが、今回の女性リーダーの方々のキャリアトークおよびテーブルディスカッションをヒントに、自身の生き方を考えていただければ、と鈴木氏は語った。

この道に進む以外に私の人生はない

 イベントのメインメニューは、IT業界でフロンティアとして活躍してきた女性リーダー2名によるパネルディスカッションだった。登壇したのは、NECラーニング 代表取締役社長の内海房子氏と、日本ユニシス 人材育成部長兼日本ユニシスラーニング 代表取締役社長の白井久美子氏。

 内海氏がIT業界に入ったのは、大学で初めてメインフレームコンピュータを目にしたのがきっかけだったという。“こんな面白いものが世の中にあったのか”と感動し、この道に進む以外に私の人生はないと思いこむまでになった。また早くから長く働き続けたいと考え、家族のサポートが当てにできるということで実家の近くにあるNECを選んだのだそうだ。

 白井氏も、自らシステムエンジニアという仕事を選択し、日本ユニシス入社以来20年にわたり一貫して開発業務に携わってきた。プログラミングを皮切りに、やがて開発プロジェクトに加わるようになり、またそれを束ねるプロジェクトマネジャーとなった。また、新規事業の企画や立ち上げといった経験もある。

左から、マイクロソフト コーポレートマーケティング本部本部長の岡知子氏、日本ユニシス 人材育成部長兼日本ユニシスラーニング 代表取締役社長の白井久美子氏、NECラーニング 代表取締役社長の内海房子氏
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