もう崩れない、Webブラウザによる表示の違いを吸収するサービスが開始

Mozilla Japan、アルゴ21、三菱総合研究所は、Webブラウザの相互運用性における問題を改善するために「TouchUpWeb システム」を開発、その成果を利用したサービスとして「TouchUpWeb サービス」の提供を開始した。

» 2006年09月11日 16時51分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 Mozilla Japan、アルゴ21、三菱総合研究所は9月11日、Webコンテンツの閲覧時に、文書のレイアウトが崩れたり、コンテンツの表現が変わってしまうなど、相互運用性における問題を改善するために「TouchUpWeb システム」を開発、その成果を利用したサービスとして「TouchUpWeb サービス」の提供を開始した。

 同システムは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「2005年度下期オープンソースソフトウェア活用基盤整備事業」の一環として実施された「Webコンテンツの相互運用性を改善するフィルタリングサーバの開発」プロジェクトにおいて、上述の3社が共同で開発したもの。「TouchUpWeb」拡張機能および「TouchUpWeb」サーバはオープンソースソフトウェアとして公開されており、誰でも利用可能となっている。

 TouchUpWeb サービスは、Firefoxの拡張機能として実装されたTouchUpWeb拡張機能、および、TouchUpスクリプトを管理・提供するTouchUpWebサーバから構成される。なお、TouchUpWeb拡張機能を動作させるには、Greasemonkey拡張機能をあらかじめインストールしておく必要がある。

 同拡張機能を組み込んだFirefoxで不自然なコンテンツであると思われるWebページを閲覧する場合、ウィンドウ右下のTouchUpWeb起動ボタンまたはメニューバーから[ツール]-[TouchUpWeb]-[サーバへ問い合わせ]と選択することで、TouchUpWebサーバに問い合わせが送信される。そのWebページを修正するためのTouchUpスクリプトがサーバのデータベースに存在していれば、その旨が表示され、[適用する]ボタンをクリックすることでTouchUpスクリプトが適用され、正しく表示されるようになる。

拡張機能をインストールすると画面右下に問い合わせのためのボタンが。設定することで自動で問い合わせさせることも可能(出典:TouchUpWebプロジェクトより)
対応するTouchUpスクリプトがデータベースに存在すれば、適用するかどうかが求められる(出典:TouchUpWebプロジェクトより)

 TouchUpスクリプトは、個々の問題に対するスクリプトであるため、さまざまな問題に対する個別のTouchUpスクリプトが必要となる。そうした問題を収集するために、スクリプト開発者のための問題管理サーバ(Bugzilla)を用意するなど環境の整備が図られている。ここで集められた情報は、管理者によってチェックされた後、Mozilla Japanが運用するTouchUpWebマスタサーバに集積される。またシステムを開発した3社自体も、今後、TouchUpスクリプトの増強によるデータベースの拡充作業を予定しているという。

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