緑の深い英国の農村に作られた掩ぺい壕。かつては30人が60日間生活できる核シェルターだった。しかし、いまはSymantecのSOCとして機能している。
美しい農場の景色が一面に広がる英ハンプシャー州トワイフォード。ITには似つかない農村に、全世界で600社の顧客を抱えるSymantecのマネージドセキュリティサービス(MSS)のSOC(Security Operations Center)がある。
「大きな木がありますから、右に曲がってください」――案内どおり、村の外れの丘陵を上っていくと、そこには掩ぺい壕があった。
かつて政府が建設した「核シェルター」を利用した。厚さ2.5メートルのコンクリート天井、50センチのコンクリート壁、出入り口にはスチールの枠にコンクリートが流し込まれ、厚さは20センチある。核物質を清浄する空気フィルター、自家発電機なども、いまもそのままの能力を備えている。核攻撃が行われても30人が60日間、生活できる。
Symantecは2002年に米Riptechを買収し、MSSを本格化させた。一方で、独自にサービスを行う計画もあり、民間運営となったこの核シェルター施設を借り上げていたという。
MSSのEMEAセキュリティエンジニアリングマネジャー、アラン・オズボーン氏は「本当はここまでの施設は必要ないのだが、顧客からの受けはいい」と話す。物理的なセキュリティだけでなく、セキュリティマネジメントのBS7799やSAS70タイプ2といった認証も取得している。
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