IBM、新たなSOA製品群を投入(2/2 ページ)

» 2006年10月04日 17時33分 公開
[Darryl K. Taft, Stan Gibson,eWEEK]
eWEEK
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 また新しい「IBM Workplace for Business Strategy Execution」は、ビジネスの目標を監視できるダッシュボードだ。

 IBMはまた、ユーザーのWebサービス管理を支援するために新しいSOAガバナンスの手法と新しいWSRR(WebSphere Registry and Repository)を発表した。

 ミルズ氏は、WSRRはIBMの強化版「Rational BuildForge」「Rational ClearQuest」「Rational Software Architect」製品を基盤にしていると語る。

 さらに、ダニエル氏はIBMが、企業が組織全体にSOAを拡大する際に、ユーザーレベルを超えて「スケーラブルで持続可能なセキュリティ」を確保するための新しいセキュリティサービスを用意しているとしている。

 この新サービスには「SOA Application Security Assessment」「SOA Security Requirements」「SOA Security Architecture」「SOA Security Implementation」が含まれる。

 また、サービスセキュリティを強化する新製品と強化版製品として、「Tivoli Federated Identity Manager」「Tivoli Federated Identity Manager Business Gateway」、それからSOAアプライアンス「WebSphere DataPower XS40」があるという。

 新しい管理サービスには「SOA Management Planning」「Business of IT Dashboard」「Testing Center of Excellence for SOA」「CIO IT Dashboard」が含まれる。

 また、サービス管理のための新しいソフト製品として、「ITCAM(IBM Tivoli Composite Application Manager)for SOA」「IBM Change and Configuration Management Database」「Tivoli Federated Identity Manager Business Gateway」「Tivoli Usage and Accounting Manager」、複数のデバイスにわたってサービスを配信し、管理する「Lotus Expeditor」が提供されるという。

 このほかの新サービスには、クライアントにWebSphere XD(Extended Deployment)の設計と実装サービスを提供することにフォーカスした「Web Infrastructure Optimization and Virtualization Services」がある。

 またIBMは、新しい「Tivoli Dynamic Workload Broker」と「IBM Enterprise Workload Manager」も発表した。

 さらに、Webify買収で獲得した技術をベースとした新しい「WebSphere Business Services Fabric」も発表したとラブランク氏は言う。

 この新しい技術プラットフォームは、ACORD(Association for Cooperative Operations Research and Development)、HIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act)、HL7(Health Level Seven)など各種の業界固有の標準をサポートする構築済みのカスタマイズ可能なSOA資産、セマンティックモデル、ポリシーに基づいているという。

 「このプラットフォームを中心にサービスを開発する開発者のエコシステムに期待している」(ラブランク氏)

 またIBMは、Institute for Business Valueによる「The Business Value of Service-Oriented Architecture(SOAのビジネス価値)」と題された調査結果を発表した。それによると、IBM SOA顧客の92%がコスト削減のためにSOAを開始したと答え、51%がSOAによって売り上げが増えたと回答した。

 しかしAmeripriseのレグランド氏は、SOAを正しく行った場合、小規模の取り組みにはならないと言う。

 「当社にとってSOAは旅だ。長期的な戦略だ」(同氏)

 同氏は、AmeripriseはESB(エンタープライズサービスバス)とも呼ばれる基幹インフラに約500万ドル投じたと語る。

 また同社はSOAプロジェクトの一環として、顧客管理サービスに2500万ドルを費やした。

 だが同社はSOA実装の初年度に、200万ドルのコストを節約したという。

 しかし、ZapThinkのブルームバーグ氏は、SOAは資金力のある大企業のためだけのものではないと言う。

 「IBMは大企業およびミッドマーケットの上の方にフォーカスしているため、それだけのプロジェクト規模になるのは意外ではない」(同氏)

 「だがミッドマーケットでもSOA実装は増えている。中小規模企業の大きな違いは、大企業よりも社内の統合の問題が起こらないため、サービスがよりB2Bにフォーカスしたものになる傾向があるという点だ。こうしたプロジェクトは大企業のプロジェクトよりもコストがかからない傾向がある。IBMのスイートスポットではない」

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