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» 2006年10月16日 08時00分 UPDATE

Trend Insight:FirefoxをめぐるDebianとMozillaの対立の背景 (1/2)

12月にもリリースが予定されているDebianの最新バージョン。しかし、同梱する予定のFirefoxについて、Mozilla側と論争が起こっている。

[Lisa-Hoover,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 Debianの最新バージョンはEtchの名称で12月のリリースが予定されているが、同ディストリビューションに同梱するWebブラウザとして、Mozillaが権利を所有するFirefoxを収録することが希望されている。この件に関するMozilla側からDebianに対する返答は、そうした形態でリリースする場合、同ソフトウェアの付属アートワークを外すことはできないという旨のものであった。法律関係の専門家によると、著作権法と商標法を正しく用いていれば、こうした問題はそもそも生じなかったはず、ということになる。

 知的財産保護を専門とする法律家で、以前にOpen Source Initiativeの相談役を務めていたラリー・ローゼン氏がNewsForgeに語った説明によると、「オープンソースに関する著作権のライセンスに従うと、特定のソフトウェアに対して任意の変更を施すことも、逆に何らの変更を施さないことも可能なはずです」ということになる。ただし、商標法に基づく何らかのライセンスを事前に取得しておかないと、オリジナルの著作者が有す商標を、こうした変更物ないしオリジナルの創作物に対して適用できない可能性もあるというのだ。

 「わたしの見るところ、本来この件は論争を呼ぶ性質のものではないでしょう。理解すべきは、著作権法と商標法で保障されている権利は、本質的に異なるということです。これらの一方で保障されている権利は、必ずしも他方で保障されている権利と一致するとは限りません」。

 2006年上旬、Mozilla側の開発者であるマイク・コナー氏がDebianに対してバグリポートを報告したが、その中で述べられていた意見に、仮にDebianが収録するブラウザをFirefoxという名称で呼ぶのであれば、Firefox用のグラフィック類もすべて同梱する必要があり、それを厭うのであれば何か別のブラウザ名に変更しなければならない、というものがあった。

 つまりMozilla側の主張は、同プロジェクトのガイドラインに明示してあるように、Firefoxという名称の使用は、そのロゴ、アイコン、そのほかのアートワークを使用し続ける場合にのみ許可される、というものである。

 これに対し、Debian側の開発者でプロジェクトメンテナを務めるエリック・ドーランド氏の主張は、Etchのリリース時にMozillaの用意した付属グラフィック群までも同梱するのは不可能であるというもので、その理由として「これらのライセンスはフリーではない」点を指摘している。そうしたグラフィックを同梱するという行為は、Debianディストリビューションに含めるソフトウェアの条件を規定しているDebian Free Software Guidelines(DFSG)に対する違反になる、というのが同氏の意見だ。

 Debian側の開発者たちは、商標法に従う形でFirefoxの名称をそのまま使用することを望む一方で、Etchに同梱するアートワークは、ほかのフリーアートワークと同様、ユーザーがすべて自由に変更できるようにすべきだとも考えている。

 コナー氏は、Debian側の希望は理解できるとしながらも、Mozillaのロゴとアイコンはソフトウェアのアイデンティティを示すものであり、ユーザーに対してソフトウェアの品質を保証する効果も有していると述べている。同氏によると、Mozillaというブランドを守ろうという姿勢は、一般企業が満足行くユーザーエクスペリエンスを維持しようとするスタンスと何ら変わるところがない、ということになる。

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