MS、Windows Core OS部門を再編

米Microsoftは、Windows Core Operating System部門を5つのチームに再編することを決めた。

[Peter Galli，eWEEK]

　米Microsoftは、Windows Core Operating System部門の再編を行うことを表明したが、PCハードウェアへのフォーカスを強化するとともに、顧客向けソリューションを拡充するのが狙いだ。

　同社はセキュリティ分野でも再編を進めており、セキュリティチーム、Trustworthy ComputingチームおよびEngineering Excellenceチームを1つのグループに統合する。このグループ名称は「Trustworthy Computing」チームになる。これは、Microsoftのグループ広報マネジャー、ジム・デスラー氏が10月12日に米eWEEKに明らかにしたもの。

　しかしCore OS部門の指導体制には変更はなく、技術戦略担当上級副社長のジョン・デバーン氏が統括する。同氏は、プラットフォーム／サービス部門のケビン・ジョンソン共同社長に直属する。

　この指導体制は、Microsoftが今年実施したプラットフォーム／サービス部門の組織再編に伴い導入された。Microsoftによると、この再編は既存のWindows／MSN資産を同社の総合的な「Live」戦略に適合させるのが狙いだという。

　しかしその当時に情報筋がeWEEKに語ったところによると、Microsoftでは「全世界のコンシューマーと企業に総合的なソフトウェアベースのサービスを提供する」のが目的だと説明しているが、再編を促した主要な要因はWindows Vistaのリリースの遅れだという。

　今回の変更は、すべて予定通りに行けば、Windows Vistaが10月中に製造工程向けリリースされた後に実施される。

　「MicrosoftのCore Operating System部門はWindows製品の提供と品質にフォーカスすることにより、Windowsの技術的秀逸性の重心としての役割を果たすとともに、全世界の顧客とパートナーにメリットをもたらすOSプラットフォームを提供してきた。今回の変更は、このビジョンをさらに拡大するのが狙いだ」とデスラー氏は説明する。

　Windows Core Operating System部門は2003年12月、Windowsプラットフォームを顧客のために最適化するという目的で設立された。

　同部門の責任者にはブライアン・バレンタイン氏が就任したが、同氏は最近Microsoftを去り、Amazon.comに幹部として入社した。

　今回の再編に伴い5チーム体制が確立されることになる。その1つであるWindows Core Systemチームは、ベン・ファティ氏（開発担当）、ダレン・ミュアー氏（テスト担当）およびチャック・チャン氏（プログラム管理担当）が率いる。

　同チームはWindows Core System（カーネル、仮想化、セキュリティ、ネットワーキング、配備を含む）のイノベーションを担当する。

　デスラー氏によると、Windows Engineering System and Servicesチームはウェル・バハーエル・ディン氏が責任者を務め、Windowsエンジニアリングシステムを担当する。PC Hardwareチームはジャワド・カーキ氏が統括し、OEM、ODM（相手先ブランドによる設計・製造）、IHV（独立系ハードウェアベンダー）と緊密に連携し、顧客向けソリューションの開発を支援するという。

　Trustworthy Computingチームはスコット・チャーニー氏が統括し、Trustworthy Computing（信頼できるコンピューティング）技術に加え、セキュリティ技術、セキュリティ対応インフラ、セキュリティ普及活動、優良技術への投資を担当する。

　Windows Core Architectureチームはリチャード・ウォード氏が責任者を務め、Windowsアーキテクチャ、Windows Core OS部門全体にわたる技術デザインの拡張、ならびに同部門とWindowsアーキテクトコミュニティーとの連携強化にフォーカスする、とデスラー氏は説明する。

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