バルマー氏はオンラインへの移行を語り、ユーザー体験をオンラインに移しても、クライアントシステムへのニーズが消えることはないだろうと主張した。
Windows LiveはMicrosoftの最も重要な計画だと、同社CEO(最高経営責任者)のスティーブ・バルマー氏は10月10日、Gartner Symposium and IT Expoで聴衆に向けて語った。
「われわれはライブなソフトウェアに移行しつつある。これはWebサイトのように“click to run”だ。われわれはclick to runへの進化を信じている」(同氏)
Windows Liveは拡大しつつあるWindows向けアドオンサービスの集合。Windows Live Messengerや売買情報交換のWindows Live Expoなど幾つかのサービスが立ち上げられており、十数のサービスが現在Windows Live Ideasサイトでβテストされている。
「最も重要なのはLiveプラットフォームだ。コンシューマライゼーションの次のレベルはインターネットサービスとインターネット配信から来る」とバルマー氏は語った。同氏のコメントは今年のカンファレンスでGartnerのアナリストが支持していたテーマ――向こう数年で検索、ポッドキャスト、オンデマンドビデオ、ブログなどのコンシューマーテクノロジーがエンタープライズITインフラに浸透する――に一致していた。
バルマー氏は、ユーザー体験をオンラインに移しても、Microsoftのソフト事業の基本である強力なクライアントシステムへのニーズが消えることはないだろうと語った。
Gartnerのアナリストは、多数の話題に関して、特にWindows Vistaについて幾つもの質問をバルマー氏に投じた。同氏は、MicrosoftがVista(以前は「Longhorn」と呼ばれた)を苦しめた度重なる延期から学んだ教訓は、開発プロセスの複雑さを減らす必要があるということだと述べた。
「革新し、統合しなければならないが、それは必ずしも同時ではないということを学んだ。統合するべき新たな発明があまりに多かった」(同氏)
エンタープライズアプリケーション分野について、バルマー氏はMicrosoftがホスティング型CRM(顧客関係管理)サービスに取り組んでいることに触れた。同氏はまた、同社がDynamics製品ライン――基本的には数年前に「Project Green」と呼ばれていたもの――でERP(エンタープライズリソースプランニング)製品向けの共通コード基盤に取り組んでいるとも語った。
同氏は、Microsoftはエンターテインメント、オンライン、エンタープライズ、デスクトップという複数のコアビジネスに投資し続けると強調した。さらに、すぐに成功しなくても、同社には伝説的なねばり強さがあると訴えた。「くわえた骨は簡単には離さない。とにかく進んで進んで進み続ける」
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