手元にあるのは、ディスプレイとキーボード、マウスだけ。コンピュータ本体は、データセンターに集中配置されているので、無用なプログラムの持ち込みや機密データの持ち出しは一切不可能。そんな時代が確実にやってくる。
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クライアントセキュリティの中でも重要視されているのが、情報の取り扱いである。とりわけ、CD/DVDなどで持ち込まれる無用なプログラム、iPodのようなメモリ型音楽プレイヤーも含むUSBメモリによる機密データの持ち出しは、クライアントのみならず、企業システム全体にとって好ましくない。
そうしたクライアントを介したセキュリティ上の脅威に対抗する手段のひとつに、「サーバベースコンピューティング」が挙げられる。これは、クライアントで実行するプログラムの一部、あるいはクライアントのコンピュータ本体をサーバ側に配置し、クライアント側から遠隔操作するというものだ。
サーバベースコンピューティングが企業システムに利用され始めたのは、Windows NT 4.0のターミナルサービスが登場してからだ。Windowsのターミナルサービスは、サーバ上にユーザーごとのデスクトップを用意し、遠隔地のWindows PCまたはWBT(Windows Based Terminal)と呼ばれる端末から操作する仕組みだった。当時はネットワーク帯域や画面の転送能力が十分ではなかったため、どの企業にも積極的に採用されたというわけではないが、サーバベース コンピューティングに先鞭を付けたと言えるだろう。
現行のWindows Server 2003のターミナルサービスは、過去のWindows Serverのターミナルサービスに比べると、パフォーマンスや画面表示が大きく改善。操作性は、Windows XPクライアントとほとんど変わりがない。
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