次世代のユーザーエクスペリエンスを実現するVistaとWPF国内初イベント、REMIX開催(1/3 ページ)

Vistaで実現される新しいユーザーエクスペリエンスは、新しいビジネスチャンスにも結びつくことになる。10月26日、東京国際フォーラムで開催されたREMIX Tokyoでは、こうした側面からデザイナーを啓蒙するセッションも行われた。

» 2006年10月30日 09時00分 公開
[下村恭(ハンズシステム),ITmedia]

 10月26日、東京国際フォーラムで開催されたREMIX Tokyoでは、Windows Vistaにおいて、どのようなデザインのWebサイトやアプリケーションが実現できるのかを見ることができた。また、Vistaで実現できる新しいユーザーエクスペリエンスが、新しいビジネスチャンスに結びつくという点で実例も紹介された。ここでは、Vistaに搭載されるWindows Presentation Foundation(WPF)によってどのようなことが実現できるのか、テクノロジートラックで行われた「Windows Vista世代のユーザーエクスペリエンス」と題された3つのセッションから振り返ってみたい。

 まずはじめに、次世代ユーザーエクスペリエンスをWebにおけるエクスペリエンスに限定して考えてみる。さらに、従来のHTMLで構成されたWeb1.0世代、AJAXやRSSのを取り込んだWeb2.0世代、そしてVista世代と分けてみる。ここでWebエクスペリエンスを缶切りに例えると、Web1.0はナイフで缶を開け、Web2.0はアーミーナイフで缶を開けるに等しい。もちろん、Vista世代では使いやすい缶切りだ。

 Web1.0世代では「缶を開ける」というアクションに対して、あくまでも「切る」という最低限のことしかできないツールであるナイフを使う。使いにくいが使えないわけではない。Webエクスペリエンスで考えれば、閲覧(ブラウズ)という最低限の機能しかない。

 Web2.0世代では、ブロードバンドの活用であったり、DBとの連携などインタラクティブ性の進化があり、さまざまな機能が実現できるようになった。これがアーミーナイフだ。閲覧という目的により工夫のあとが見られるようになったといえる。

 だが、ユーザーが求めている閲覧とはどのようなものなのだろうか。Web2.0世代の閲覧を超えるものとは、どのようなものなのか。缶切りの例でいえば、缶を開けるという目的には缶切りが最適だ。では、情報の閲覧という目的には何が最適か。

 Webに限らず、何かの情報を知りたいと思ったときに、そこにはさまざまな形の情報がある。テキストで書かれた文章、ビットマップ形式の図、3D表現されているモデル、動画やアニメーションなどなど。こうしたさまざまなコンテンツを統合された形で提供できなければ、ユーザーにとっての最適な閲覧ということにはならないだろう。

 Vistaは、こうしたさまざまなコンテンツを統一的に扱う基盤を備えている。それがWPFだ。正確には、WPFは.NET Framework 3.0の一部であるため、Vistaのみが備える機能ではない。Windows XPでも.NET Framework 3.0をインストールすれば、WPFを利用できる。Vistaに標準で搭載される機能であることから、Vista世代の標準的な機能となる。

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