Creative Commonsに新理事長が就任、レッシグ氏はCEOとして続投(1/2 ページ)

4年間にわたって実世界におけるコンテンツ共有の方法を革新してきた、Creative Commonsの創始者ローレンス・レッシグ氏が、先週の理事会で理事長の座を降りることを発表した。レッシグ氏がバトンを渡したのは、伊藤穣一氏だった。

» 2006年12月27日 16時27分 公開
[Mayank-Sharma,Open Tech Press]

 4年間にわたって実世界におけるコンテンツ共有の方法を革新してきた、Creative Commonsの創始者ローレンス・レッシグ氏が、先週の理事会で理事長の座を降りることを発表した。レッシグ氏がバトンを渡したのは、日本のベンチャーキャピタリスト、伊藤穣一(Joi Ito)氏だった。

 Creative Commons(CC)は非営利団体で、その著作権ライセンスでよく知られている。「われわれの提供するフリーのライセンスは、ほかの人々が作品の共有または改編、あるいは作者がそれを選んだ場合にはその両方を行えるように、創造的な作品に作者の認める自由を与えるものである」とレッシグ氏は記している。CCの評判について、レッシグ氏は「立ち上げて1年以内に、われわれのライセンスの被リンク数が100万を超えた(つまり、われわれのライセンスに対してリンクを張り、おそらくはそうしたライセンスの下でコンテンツを提供していたサイトが、Web上に少なくとも100万カ所あったことになる)」と話す。2006年6月には、この件数は約1億4千万に膨れ上がった。「件数は順調に伸びており、ますます多くのサイトがCreative Commonsの力で保証される自由を手に入れている」とレッシグ氏は言う。

 またレッシグ氏は、伊藤氏が理事長職を引き継いだことを喜んでおり、「次期理事長として申し分のない人物」と評している。「現在、われわれが成功するための鍵は、このプロジェクトを新しい創造的な経済の全体に適合させることにある。われわれは共有経済(sharing economy)の支援および保護を行いたいと考えている。また、そうした支援のうち重複する部分を営利経済(commercial economy)に採り入れるためのツールを構築したいとも考えている。そのためには、Joi(伊藤氏)がこれまでの経歴で発揮してきた感性と洞察力が必要なのだ」

 Creative Commonsの相談役ミア・ガーリック氏は、次のように語っている。「Joiの抜擢は前回の理事会で決まりました。CCが彼のリーダーシップを得るとともに、いまなお将来の展望と洞察力を持ってCEOとしての活動を続けるレッシグ氏の負担を軽減することをねらったものです。すでにJoiは「共有経済」に関する経験と見識、そして技術および業界の専門知識により、CCにかなりの貢献をしています」

 伊藤氏は、自らが関与するようになってからのCCの発展を次のように振り返っている。「わたしが理事会に加わった2003年には、CCライセンスは誕生していて、すでにライセンスを取り巻く活動や評判は大変なものになっていた。当時、Movable Typeのような一部のプロダクトには、もうCreative Commonsライセンスが組み込まれていたが、ほとんどの場合、CCはあるビジョンの下で同様の考えを持つ人々の運動だった。それ以降、Creative Commonsは主要な検索エンジン、Webサービス、ソフトウェアツール、コンテンツライブラリにおいて標準的なものになっていった」

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