ウィルコムは、定額+高速化+セキュリティで勝負

ウィルコムが春商戦に向けて新しい料金プランや端末を発表した。「No Limit」をテーマにユーザーの利便性向上を図ったという。

» 2007年01月22日 18時02分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 ウィルコムは1月22日、春商戦向けの事業戦略説明を行った。定額プランの拡充やセキュリティ機能を強化した新端末投入など、法人向けサービスを中心とした施策を展開する。

喜久川社長 喜久川社長

 新施策について喜久川政樹代表取締役社長は、「キーワードは『No Limit』(制限のない)。場所や時間などの制限を取り払い、ストレスなく使いこなすことのできるサービスを目指した」と話す。

法人定額 3回線以上の契約であれば一回線当たり月額2200円で音声定額となる(家族契約も同様)

 まず料金プランでは、3回線以上の家族や法人契約者を対象に、すべての回線の月額音声定額料金を一律2200円に引き下げる。また料金パックの余剰となった無料通話分を、最大6300円分まで自動的に3カ月先まで繰り越せるサービスを導入する。両サービスとも、3月1日から実施する予定だ。

 データ通信では、PHS高速化規格「W-OAM」を拡張し、新たに64QAMの変調方式を導入する。これにより通信速度が現在の最大208kbpsから512kbpsに高速化されるほか、データ送受信時の遅延や音声品質が改善されるという。「サクサクと動くような感覚でデータ通信の高速化を体感していただけるだろう」(喜久川社長)。

 さらに2007年度以降は、バックボーン回線がIP化された基地局では通信速度が最大800kbpsに高速化される予定だ。「現在は音声通信の7〜8割をIP回線で対応しており、データ通信でも多くの基地局で高速通信が利用できるだろう」(技術担当の近義起執行役員副社長)としている。

新端末 新端末はビジネス向けが中心

 新端末では、ビジネス向けやキャラクターモデルなど5機種を発売する。ビジネス向けでは、JAVAやRSSリーダー搭載の「WX320K」、指紋認証センサー搭載の「WX321J」、最大10地点の利用シーンを設定でき、構内PHSとして利用可能な「WX220J」、最大512kbps通信対応のデータ通信カード「AX530IN」を、1月25日から順次発売する(AX530INは2007年春以降)。WX320K/WX321J/WX220Jは、リモートからの操作ロックやデータ消去、パスワード認証にも対応する。

リモートロック 事前登録なしでも利用できるリモートロック代行サービス

 WX320K/WX321J/WX220Jの発売に合わせ、端末のリモートロック代行サービスを開始する。これは端末を紛失した場合に、事前に設定をしなくても、同社のサービスセンターから端末操作を禁止させることができるもの。1回当たりの料金は525円(税込み)。このサービスは端末操作のロックのみで、端末内のデータ消去などは行えない。

 喜久川社長は、「2006年10月の番号ポータビリティ導入の影響で純増数がやや鈍化しているが、これら一連のサービスでユーザー拡大と利便性向上につなげたい」と話している。

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