そろそろ知っておきたいAppFuse1分ショートレビュー

JavaベースのWebアプリケーションを開発するために必要なものがすべてそろったAppFuse。メジャーバージョンアップも目前に迫る今、AppFuseの実力を知っておきたい。

» 2007年02月13日 07時00分 公開
[鈴木 愛 ,ITmedia]

ここで紹介する記事は、developerWorksの「AppFuseを使用する7つの簡単な理由」です。


 「ビジネスはスピードが勝負だ」「これからはWeb 2.0だ」――Webアプリケーションの開発現場では、こうした声に押されて迅速な開発が求められている。しかし、Webアプリケーションの開発時間を短縮し、開発の効率化を図ろうと願うあなたが、「AppFuse」を知らないとしたらその実現はなかなか難しいかもしれない。AppFuseの開発が始まってから4年、現在AppFuseコミュニティーは活気のある面白い場所になっている。ここで紹介するのは、このAppFuseを使う理由を説いた「AppFuseを使用する7つの簡単な理由」である。

 AppFuseは、JavaベースのWebアプリケーションを開発するために必要なもの、例えば、Spring、Hibernate、あるいはMySQL、Tomcat、Spring MVC、Struts、Tapestry、WebWorkなど、おおよそ必要であると思われるものがほぼ含まれたアプリケーションである。コードの生成やコンパイルといった部分はAntが用いられる。

 AppFuseは基本的にJava開発におけるWebアプリケーションの雛形であり、言いようによってはRuby on Railsと似た部分もある。しかし、Ruby on RailsのようなCRUD生成フレームワークとの大きな違いは、「認証および許可」「ユーザー管理」「パスワード保管機能」「サインアップおよび登録」「SSL切り替え」「URL再書き込み」「ページ修飾」 テンプレート化レイアウト」「ファイルアップロード」などの機能を備えていることであろう。

 本記事ではさまざまなメリットが説かれているが、特に注目したいのは、テストに十分な信頼が置かれていることだ。データベース層ではDbUnitで、DAO(データアクセス)層では、SpringのAbstractTransactionalDataSourceSpringContextTestsクラスを用いて、サービス層ではjMockを使用してといった具合に、アプリケーションのすべての層をテストするためのツールが取りそろえられている。ちなみに、Webアプリケーションで開発が最も困難とされるユーザーインタフェースのテストについては、WebアプリケーションのUIテストを自動化できるCanoo WebTestが採用されており、手の込んだAjax対応UIが正常に機能することまで検証できる。

 このタイミングでAppFuseの紹介記事を取り上げるのは、2007年2月中にAppFuseがメジャーアップグレードを行う予定であるためだ。AppFuse 2.0では、JDK 5およびMaven 2に移行する予定となっている。AntからMaven 2に移行するのは、IDEプロジェクトファイルを生成するための推移的従属関係のダウンロードとそのサポート機能を備えるためで、Maven 2への移行により、IDEA、Eclipse、そしてNetBeansプロジェクトファイルの生成がこれまで以上に容易に行えるようになるなど、使い勝手が大きく向上することも予想される。

 JavaベースのWebアプリケーション開発におけるAppFuseの便利さを知るのは、いいタイミングではないだろうか。

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