エンタープライズサーチで情報共有――アシストの場合よく効くエンタープライズサーチの処方箋(1/3 ページ)

情報共有を通じて競争力を高めたい――こう考える企業は数多い。アシストでは、SFAやポータルサイト、ファイル共有などで情報共有を試みたが、どの手法も社員に定着しなかったという。

» 2007年03月19日 08時00分 公開
[岡崎勝己(ロビンソン),ITmedia]

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 「情報の社内共有に向けた取り組みは従来から進めていたが、それをなかなか徹底できなかった。そうした状況を打開するために着目したツールが、オラクルのOracle Secure Enterprise Search(OSES)だった」――アシストでESP(Enterprise Search Platform)環境の整備に携わったデータベース事業部テクニカルアドバイザーの佐藤彰広氏は、その背景についてこう語る。

 独立系のコンピューターベンダー大手のアシストは、北は北海道から南は沖縄まで、全国に10以上もの拠点を展開。その売り上げは2005年度で175億円を誇る。

 そんな同社では、従来から競争力の強化に向け、客先に提出する資料などの情報共有の必要性が強く認識されており、これまでもSFA(Sales Force Automation)システムやポータルサイト、ファイルサーバなどを活用した情報共有のための仕組みが整えられてきた。しかし、それらの利用は社員の間でなかなか活性化しなかったという。

画像 アシスト データベース事業部の佐藤彰広テクニカルアドバイザー

 その理由の1つとして挙げられるのが、情報共有の際に必要とされる作業の煩雑さだ。例えば、同社ではSFAシステムに文書を登録することで営業関連の情報共有を行っていたが、登録作業の際には最低7項目もの管理用情報を入力しなくてはならず、こうした手間が嫌われたことで、実際に文書を登録する社員はごくわずかにとどまっていた。

 また同社では、事業部ごとに製品情報を扱うポータルサイトを構築していたが、製品情報の追加を続けた結果、リンクが極めて多い画面構成となり、どこに目的の情報があるのか把握することができず、結果的に情報を入手できないことも少なくなかった。

 一方、各拠点ではファイルサーバを用いた情報共有が行われていたものの、管理する文書の種類や管理手法が明確化されていなかったため、どのような情報がどこに保管されているのかが極めて把握しにくくなっていた。加えて、文書に変更を加えたことで、本来なら破棄すべきファイルが保管されているケースも散見された。

 「当社ではこれまで、トップダウンで情報共有を進めてきた。ただし、その必要性が現場の社員になかなか理解されなかったことに加え、仕組みそのものに課題が残されていたことで、情報共有をなかなか徹底させることができなかった」(佐藤氏)

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