「Microsoftとの契約を後悔していない」――NovellのCEO(2/2 ページ)

» 2007年03月23日 12時52分 公開
[Per Galli,eWEEK]
eWEEK
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 しかしホブセピアン氏は、同氏がオープンソースコミュニティー宛てに書いた公開書簡をもう1週間ほど早く公表していればよかったと悔やんでいる。「そうすれば、多くの誤解が解消され、これらの誤解に伴う感情的問題が軽減されただろう。その点はわたしの手落ちだ」と同氏は話す。

 さらにホブセピアン氏は、Novellはいかなる形においてもオープンソースで特許を侵害しているとは考えていないと強調している。「われわれは決してそんなことはやらないし、現在もそのようなことはないと確信している」と同氏。

 NovellのライバルであるRed Hatは、訴訟に関する同様の契約をMicrosoftと結ぶのを拒んでおり、Novellがそのような契約を結んだことを批判している。

 オープンソースのエバンジェリストで開発者のブルース・ペレンス氏や、Free Software Foundationの執行ディレクターのリチャード・ストールマン氏などの人々もRed Hatと見解を同じくしている。

 ペレンス氏は、NovellのBrainShareカンファレンス開幕初日と重なる3月19日にソルトレークシティで記者会見を開き、その後でストールマン氏の声明文を公表した。ストールマン氏は現在、GPLの改訂作業を進めている。

 声明文によると、プログラムの再配布者が将来にわたって人々の自由を尊重するようにするのがGPLの目的だという。「GPLは、フリーソフトウェアをプロプライエタリ化しようとする既知の手法を阻止することによって、すべてのユーザーの自由を守る」と述べている。

 NovellとMicrosoftは、Microsoftの特許を利用してNovellの顧客だけが有利になるようにした、と声明文は指摘する。

 「彼らがユーザーを脅してNovellに対して金を支払うようにさせたとしたら、これは最も基本的な自由、すなわちプログラムを実行する自由をユーザーから奪うものだ。Microsoftは何年も前からソフトウェア特許という手段によってフリーソフトウェアを脅かしてきたが、われわれのコミュニティー内にパートナーがいないため、彼らが唯一できることが、ユーザーとディストリビューターを告訴すると脅すことなのだ」(同声明文)

 「このような契約に誰も抵抗しなければ、彼らは勢力を拡大し、フリーソフトウェアの自由をあざ笑うことだろう。このため、われわれはGPLを改訂することを決めた。GPLバージョン3が適用される将来のソフトウェアリリースでは、こういった契約が許されなくなる。GPLが適用されるソフトウェアの配布に関連して差別的な特許条項を設ける者は、すべての人々にそれを拡張しなければならなくなる。一方、Novellに対しては、同社の行動はGNU/Linuxコミュニティーの誠実なメンバーとしての行動ではないことを明確にしておきたい」(同声明文)

 ホブセピアン氏は、この声明文の内容がGPL 3に正式に盛り込まれるまではコメントできないとしながらも、Novellでは、拡大するLinuxの市場の中でできること、ならびにLinuxの精神と、ライセンスという観点から同社が行うことの間で均衡を探る努力をするつもりだと話している。

 「だがわたしは、リチャード(ストールマン氏)とコミュニティーの意見を非常に尊重している。Novellは正しい行動を真に心掛けている」(同氏)

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