新生アルカテル・ルーセント発足、「WiMAXはとても重要」

2006年12月の仏アルカテル、米ルーセント・テクノロジーの合併完了を受け、それぞれの日本法人の統合会社が4月に発足した。

» 2007年04月03日 16時55分 公開
[堀見誠司,ITmedia]

 通信機器ベンダーの日本アルカテル・ルーセントは4月3日、仏Alcatel/米Lucent Technologies両社の日本法人の統合会社を1日に設立したことを受けて、報道関係者に事業展開などを説明した。新生アルカテル・ルーセントの代表取締役社長には、既報の通り元日本ルーセント・テクノロジー社長の藤田聡氏が就任する。

画像 「合併で真のグローバル企業が誕生した」と藤田社長

 日本法人の統合は、2006年4月のAlcatelとLucent Technologiesによる合併発表後(関連記事)より進められてきた。アルカテルは企業向けソリューション、ルーセントは通信事業者やISP向けソリューションを中心に機器を販売しており、統合後はそれぞれ得意とする事業領域で製品ラインアップを補完させると同時に、地域ごとの運営に力点を置くとしている。

ターゲットはNGNとFMC

 同社は事業分野をIP、無線、コンバージェンス、光ネットワーク、アクセス、エンタープライズ、サービスの7つに分け、それぞれでビジネスを展開していく。

 従来より強みのある光ネットワークにおいては、FTTH技術の要となるGPON(Gigabit Passive Optical Network)技術を柱とし、コンバージェンスでは、メディアゲートウェイや音声サーバといった製品の販売をNGN(次世代ネットワーク)とIMS(IP Multimedia Subsystem)の構築向けに強化する。

 またネットワークサービスのコアとなるIP事業では、ベル研究所に代表される研究開発や特許に強みを持つ。「アクセス系はジュニパーネットワークスをしのぎ、マルチサービス・エッジルーティングではシスコシステムズに次ぐポジション」(ポール・ロス アジア太平洋広報担当副社長)というが、国内でのセールスは海外市場に比べて苦戦しており、藤田社長は「製品の共同開発や販売など日本に合わせた戦略が必要」と話す。

画像 ポール・ロス アジア太平洋広報担当副社長

 さらにアルカテル・ルーセントは今後の成長分野として、無線ブロードバンドを挙げている。2006年にはNortelの3G移動体通信部門を買収したほか、WiMAX関連の製品開発や実証実験には積極的に取り組んでいるという。日本ではアッカ・ネットワークスのモバイルWiMAXサービス実用化に向けた実証実験に参加、台湾では通信事業者Chunghwa TelecomのモバイルWiMAX(IEEE 802.16e-2005)ベースのメトロエリアネットワーク構築に同社の機器を納入するなど、アジア・太平洋地域でのWiMAX関連事業の将来性を評価している。

 「WiMAXはわれわれにとってとても重要な技術。今後、これを基に通信事業者のワイヤレスブロードバンド上で携帯端末やPCによるFMC(Fixed Mobile Convergence)サービスが活性化するだろう」(ロス氏)

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