ZIPは圧縮だけじゃない――ピーケーウェアが「SecureZIP」の国内販売開始へ

ピーケーウェアジャパンは、圧縮・アーカイブツール「PKZIP」をベースに、暗号化や電子署名といった機能を追加した「SecureZIP」を国内でも販売することを明らかにした。

» 2007年06月21日 13時12分 公開
[ITmedia]

 米PKWAREの日本法人、ピーケーウェア・ジャパンは6月20日、圧縮・アーカイブツール「PKZIP」をベースに、暗号化や電子署名といったセキュリティ機能を追加した「SecureZIP」を国内でも販売することを明らかにした。機密データの保護や情報漏えい対策のほか、内部統制対策の一環として求められるログの圧縮、安全な保管といった用途向けに提供していく。

 SecureZIPは、さまざまなデータやファイルをZIP形式で圧縮するとともに、3DESやAESなどのアルゴリズムで暗号化し、保護する製品。暗号鍵としてはパスフレーズのほか電子証明書が利用できる。これがそのままユーザー認証の役割を果たす仕組みだ。

 「今日のセキュリティの命題は、データの完全性をどう保証するかということ」と同社の代表取締役社長、本富顕弘氏は述べる。すでにデバイス単位の暗号化やネットワークインフラの暗号化を実現する技術が存在するが、これを補完するものとして、データそのものを保護する「データセントリックセキュリティ」を提唱し、それを実現するためのツールとしてSecureZIPを提供していく。

ピーケーウェア・ジャパンの代表取締役社長、本富顕弘氏

 製品には標準版の「Standard版」のほか、ポリシーに基づいて特定の情報については強制的に暗号化を実施させたり、ディレクトリサーバと連動して鍵を一元的に管理できる「Enterprise版」がある。

 特徴は、WindowsだけでなくLinuxやUNIX、さらにはIBM製メインフレームなど複数のプラットフォームにまたがって、同一の操作で同一のファイルを利用できること。また、コマンドラインを利用して既存の業務アプリケーションと連動し、複数の処理にまたがって安全にデータを流通できることもメリットという。Outlookなどの電子メールソフトと連動し、メール本文や添付ファイルを暗号化することも可能だ。

 「データはさまざまなところに散在し、移動している。その中でシームレスにデータを保護しなくてはならない」と本富氏は述べ、さまざまなデバイスやアプリケーションにまたがって動くデータそのものを、ライフサイクル全体にまたがって保護していきたいとしている。

 価格はオープンプライスだが、Windowsデスクトップ用が4680円から、UNIX/Linux/Windowsサーバ向けは1CPU当たり35万円からIBM System i向けは1プロセッサ当たり48万円から、メインフレームは420万円から。また6月27日より、個人利用に限定し「SecureZIP Windows Desktop 日本語版」の無償ダウンロード提供を開始する。

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