BPM(ビジネスプロセス・マネジメント)をうまく回していくには、IT部門とユーザー部門の橋渡し役が欠かせないという。
現在の企業ニーズは、プロセスの改善サイクルを回すことにある。それを早く回すことができる企業でのみ「俊敏な経営」が可能になる。しかし、これまではシステム化がボトルネックになっていた。サイクルを回すためにプロセスを変えたい、しかしシステム化には1年以上も要してしまう。1年もかけていたのでは意志決定、開発や納期などを迅速化、短縮化するアジャイル経営は成り立たない。
日本ユニシスのビジネス・イノベーション・オフィスで統括パートナーを務める日沖博道氏は、「BPMはそれを早めることができる」という。さらに「ユーザー部門自身があるべきプロセスの姿をツールで描けることによって、比較的スムーズにシステム化の要件を決めやすくなる。それこそがBPMのメリット」と語る。
まさにそこを前提にして、SOAの利用が加速し始めている。BPMではプロセスの実施とモニタリング、分析・評価で有効だが、SOAはプロセスの設計、構築の部分を加速する。SOAとBPMの相性が良いといわれるのは、両方が相まって、プロセスサイクルが早まるためだ。
システム化だけを見るのではなく、BPMではビジネス戦略を実現するためのプロセスのあり方を設計する。組織や制度上の制約を取り除き、かつその戦略をKPIなどでモニタリングしていく仕組みもITに埋め込んでおき、業務レベルや戦略のレベルにフィードバックする。その仕組みができてはじめてITの意味が生きてくる、と日沖氏はいう。
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