“ホワイトプランだけじゃない”――ソフトバンクの法人ビジネス展開(1/2 ページ)

ソフトバンクモバイルのホワイトプランは、同社の法人ビジネスにおいても契約者獲得の原動力になっているという。料金ばかりが注目されるが、次なる展開とは?

» 2007年08月02日 07時15分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 月額980円で午前1時〜午後9時の間はソフトバンク同士なら通話し放題――ソフトバンクモバイルが1月に導入したホワイトプランは、シンプルな料金体系から新規ユーザー獲得の原動力になったといわれる。電気通信事業者協会(TCA)の携帯電話加入者調査では5、6月と2カ月連続で純増数トップに躍り出た。

 ホワイトプランの加入数はすでに600万件を突破(関連記事)し、6月末現在で同社ユーザー全体の3分の1以上を占めるまでになった。特に定額料金が適用される時間帯は、ビジネスアワーとも重なることから中小規模の法人ユーザーを数多く獲得できたとみられる。

法人事業本部の玉川氏

 法人事業本部ビジネスマーケティング部の玉川秀軌氏は、「ソフトバンクモバイルとしてはまず料金面を特徴付けることでユーザーの拡大を図り、市場に受け入れられつつある。法人ユーザーは中小ばかりでなく大規模企業からも引き合いが多い」と話す。

 同社では、NTTドコモに対抗する「ブループラン」とKDDIに対抗する「オレンジプラン」の2つの料金プランも用意するが、「基本的にはホワイトプランを利用していただければ、十分なコストメリットを得られる」(玉川氏)と、法人の通話利用における優位性を説明している。

変わったもの、変わらないもの

 「デジタルホン」グループから「J-PHONE」、「Vodafone」と、ソフトバンクモバイルにいたるまでは資本体制が何度か変わった。法人ビジネスでは「基本戦略は大きくは変わっていないが、ソフトバンクグループに変わったことでの良い効果も数多い」と、デジタルホン時代から在籍する玉川氏は話す。

 特にソフトバンクテレコム(旧日本テレコム)とは、Vodafone時代に一度は異なる資本体制となったものの、再び同じ資本体制の下で強固な連携を行えるようになった。

 企業向けネットワークサービスに強いソフトバンクテレコムとシステムサービスのソフトバンクBBとの連携で、「モバイルをシステムとして提案できるようになったのは心強い」という。また、コンテンツサービスではインターネットサービスでのYahoo!との連携を代表例にグループ企業との連携が行われ、法人ビジネスにおいてはネットワークやシステムコンテンツ、マーケティングまでにいたるまで幅広い領域でグループのシナジーを生み出すことができるとしている。

 一方で継続的に行われているものの1つがパートナー制度。現在は「ソフトバンク・ソリューション・パートナー(SSP)」の名称となっているが、制度そのものはJ-PHONE時代の2000年11月に始まった。現在ではモバイルソリューションの提供を目的とした開発支援プログラムが提供されている。

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