ネットの利便性はビッグビジネスを生むか――選挙、ケータイ、フリーペーパー：オルタナブログ通信（2/3 ページ）

[森川拓男，ITmedia]

電力問題への関心は高い

　ITmediaのビジネス・ブログメディア「オルタナティブ・ブログ」では、130組を超えるオルタナティブ・ブロガーが、ITにまつわる話題などを日々発信している。投稿されたエントリーから筆者の視点でピックアップし、読者にナビゲーションする目的で連載しているのが「オルタナブログ通信」である。ぜひ、読者がオルタナティブ・ブログを読む際の参考にしてほしいと思う。

　今回は、7月26日〜8月1日に投稿されたエントリーの中から、冒頭で取り上げた参院選のほか、420億円のドメイン名、ケータイでGmail、電子フリーペーパー、日本のITの問題点、ネットの危険などといったキーワードから筆者の視点で取り上げてみた。

7月26日〜8月1日を最新としたオルタナティブ・ブログのステータス

　上記のグラフは、7月26日〜8月1日を「7月4週」分として、オルタナティブ・ブログの「見える化」を行ったものである。それぞれ開始日を基準にして、8週間分のデータをグラフ化しているので見ていただきたい。

　今週は、投稿されたエントリー総数は162（前回比−7）と微減したが、逆に投稿されたブログ数は57（前回比＋6）と増加している。ひとえに、4つ以上投稿されたブログが17（前回比−1）だったのに対して、1つのみ投稿したブログが25（前回比＋6）と微増したのが影響しているのかもしれない。さらに今週は、2桁投稿がなかったことも総数の減少に影響を与えているようだ。

　その中でも、先週に引き続いて新規ブロガーの参加があったのは注目だ。セキュリティエンジニアの高橋晶子氏「高橋晶子のセキュリティ漂流記」である。

　さてここで、7月23日〜7月29日の週間アクセスランキングから幾つかを紹介しよう。

　まず4位に「原子力発電所は東京に作るべき！？」（けんじろう と コラボろう！）が入ったのが目立った。筆者も前回取り上げたが、やはり読者の興味、関心を呼んだようだ。また、5位に入った「太陽電池は何年でペイするのか？」（永井孝尚のMM21）もこの話題から連動しているように見える。震災から改めて、現代生活と切り離せない電気の問題への関心の高まりがうかがえる。

　また後述する、「ネットで危険なのは若者か、それとも……」（シロクマ日報）が8位に入っていたのも興味深い。同じく、こちらも話題として後述する「日本のITの問題 - 英語力のなさ」（代替案のある生活）も6位に入っていた。

　そんな中、1位は「News Corp.のDJ買収――あとはバンクロフト家次第」（海外速報部ログ）、2位は「キックオフミーティングの多い会社は駄目な会社」（ナレッジ！？情報共有・・・永遠の課題への挑戦）と、企業絡みのエントリーが上位を占めたのが気になった。

　また、「著作権法の非親告罪化と捜査の実情」（愚直なまでも著作権）が7位に入っており、相変わらず著作権に関する関心が高いことが見て取れた。

　それでは今週のオルタナティブ・ブログではどんな話題が発信されたのか、幾つか見ていこう。

ドメイン名が420億円

　かつて有名企業や、有名人のドメイン名を勝手に取得してしまい、それを買い取らせてもうける人がいた。最近ではそのような話題も聞かなくなっていたが、ここにきてとんでもない価格が登場したのだ。

　大野元久氏「IT's my business」によると、420億円のドメイン名が登場したというのである。

　「business.com」というドメインが、3億5000万ドル（約420億円）で取引されたというもの。このドメインはかつて、「750万ドルという途方もない金額で」売れたというが（関連記事）、数年経ってみると、47倍近くの高額に化けているのだから驚きだ。

　もちろん、大野氏も指摘するように、このような価格で取引されるドメインはごく一部に過ぎない。従って、投資流行りのいまでも、ドメインを投資目的で持つことはオススメできないが、自分のためにドメイン名を取っておくのは、夢があってよいかもしれない。