ストレージとビジネスの統合を図るシマンテック、その新製品群に迫る(2/2 ページ)

» 2007年08月15日 00時00分 公開
[藤村能光,ITmedia]
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新製品群の特徴とは

Veritas CommandCentral Storage 5.0

――今回3つの製品が発表されました。まず、CommandCentral Storage 5.0ではどういった点が新しいのでしょうか。

アグラワル サーバだけでなくストレージの仮想化にも対応したという点です。「VMware」「IBM SAN Volume Controller」「HDS TogmaStore」に加え、アプリケーションを実行しているゲストOSやレプリケーション環境など幅広くサポートしています。

――具体的に何ができますか。

アグラワル 例えば、ある部分のストレージはレプリケーションされているのか、そのステータスはどうなっているのか、レプリケーション環境でどれだけのストレージが消費されたか、どこに無駄があるかなどを分析できます。EMCの「TimeFinder」や「Clarion SnapShot」などにも対応しています。拡張性に富んだストレージ製品と言えます。

――包括性とともに拡張性も新製品群のキーワードに挙がっていますが、具体的にはどういった内容でしょうか。

アグラワル 具体的な数字を挙げると、1台のマネジメントサーバで6Pバイトのストレージ容量、1万2000個のスイッチポート、3000台のホストサーバを管理できます。競合他社の製品でこれだけの拡張性を持つものはありません。また「Storage Management Initiative Specification(SMI-S)1.1」と「NetApp iSCSI」にも対応しています。

Veritas CommandCentral Enterprise Reporter 5.0

――Enterprise Reporter 5.0は、ストレージ資産の利用状況とストレージ関連の予算などを関連付けることができるようですが。

アグラワル Enterprise Reporter 5.0は3つの特徴があります。1つ目はストレージをグローバルレベルで可視化できることです。複数のデータセンターを持つ企業が、それぞれにCommandCentral製品を導入した場合、各拠点のデータを一元化したレビューを作成できます。

 2つ目は「ビジネスインサイト(分析結果)」です。ストレージ資産の利用状況とそれに掛かる予算を関連付けたリポートを作成します。部門別、地域別のストレージコストや、今後の予算傾向の算出も可能です。先ほど述べた経営幹部とIT管理部門間のギャップを埋める働きをします。

 3つ目は、作成したリポートをドラッグ・アンド・ドロップなどの操作で簡単にカスタマイズできることです。従来はデータベースからクエリを作成する必要があったため、作業には数日間を要していました。この作業が数分単位でできます。

Veritas Process Automation Manager 5.0

――ストレージの運用を改善するProcess Automation Manager 5.0の特徴は何ですか。

アグラワル Process Automation Manager 5.0は、ワークフローにストレージ管理のステップを取り込んで作業を効率化します。ストレージ管理における問題の1つに、人的なエラーから発生するダウンタイムがあります。人手を介していた手順を自動化することで、ダウンタイムの縮小ができます。運用コストや人件費の削減の効果も得られるでしょう。

――プロセスの自動化とはどのようなものでしょうか。

アグラワル IT管理者がストレージを追加する場面を考えてください。管理者からリクエストを受けたストレージ部門は、ストレージを作成し、容量を割り当てます。これらのステップはCommandCentral Storage 5.0で管理できますが、手動での作業となるため、各段階における承認が必要となるなど、手間が掛かります。

 企業ごとの手順を定義し、それをワークフローに組み込むことで、ワークフローに従ったルート設定ができます。例えば、企業内で経費の報告書を作成する場合、報告書は上司を経由し、企業内の財務部門で承認を受けなければならないなど、1つの部門内では収まりません。データセンターやストレージ管理の運用プロセスもそれと同じです。各工程のつなぎ目を自動化するのです。

image 「ストレージ利用率の低さを顧客に意識してもらう、ストレージアセスメントプログラムも始める。ストレージをどれだけ健全に利用しているかなどを評価したリポートを提供する」と説明するアグラワル氏。

――ストレージ環境を包括的に管理できるツールはほとんど存在しなかったのではないでしょうか。あえて聞きますが、競合製品は存在しますか。

アグラワル ストレージコストの低減には、ハードウェアのコスト削減が大きくかかわっています。EMC、IBM、Hewlett-Packardなど、いわゆるハードウェアベンダーといえる各社が競合製品を出しています。しかし彼らはその性格上、ハードウェアのコスト削減を提唱できません。彼らと顧客は、共通のゴールに向かっていないと言えます。

 また自社のストレージ製品は管理できるものの、各社がサポートするデバイスには限りがあるなど、拡張性という点ではまだまだと言えます。われわれが考える最も包括的なソリューションは、デバイス、アプリケーション、仮想化サーバ/ストレージを幅広い範囲を網羅し、ストレージリソースマネジメントを実現させることです。この点において、競合となる製品はないのではないでしょうか。

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