ストレージとビジネスの統合を図るシマンテック、その新製品群に迫る(1/2 ページ)

データ量の急増に伴い、企業はストレージ管理に頭を悩ませている。「Storage United」戦略に基づき、ビジネスとストレージ管理の統合を目指すシマンテックが新たに発表したソリューション。その製品群と戦略に迫る。

» 2007年08月15日 00時00分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 シマンテックによると、ストレージの総容量は年間60%の割合で増える一方、企業におけるストレージの有効利用率は約33%にとどまっている。また、あるデータの50〜500倍もの重複データが依然として各拠点に存在しているという。ストレージが有効に活用されていない中で、企業はこれからもより多くのストレージを運用しなければならなくなっている。

 シマンテックは8月10日、ストレージリソース管理ソリューション「Veritas CommandCentral 5.0」を発表した。企業のストレージ環境を把握する「Veritas CommandCentral Storage 5.0」、ストレージ利用の向上を図る「Veritas CommandCentral Enterprise Reporter 5.0」、管理プロセスの自動化などを実現する「Veritas Process Automation Manager 5.0」の3製品で構成される。今回は、米Symantecのシニアディレクタ プロダクトマネジメント、ヨゲシュ・アグラワル氏に、開発の思想や新製品の機能などを聞いた。

image ヨゲシュ・アグラワル氏

ストレージ問題を解決する4つのステップ

――現在、企業が直面しているストレージ問題とはどのようなものですか?

アグラワル 大別して2つの問題があります。1つは、企業は仮想化サーバ、仮想化ストレージ、レプリケーション環境など複数のプラットフォームを管理しなければならなくなっていることです。企業は各部門ごとに専門のチームを作りますが、個別の運用にとどまることが多く、部門を横断した運用ができていません。

 もう1つは、経営幹部が必要とする情報と、IT部門やストレージ部門が提出する情報に差があることです。経営幹部は各事業部ごとのストレージコストなど、ビジネスとひも付いた情報を必要としています。一方で、各部門が提出する情報は運用データのみの場合がほとんどです。

 このような各部門のストレージを包括的に運用するのが、Veritas CommandCentral 5.0です。当社の戦略「Storage United」(関連記事参照)に基づいて、ストレージサービスマネジメントを提唱し、それを実現する製品を提供します。

――ストレージサービスマネジメントとはどういうものでしょうか。

アグラワル ストレージをサービスとして運用するために、4つのステップを踏むことです。まず、企業が抱えるストレージ環境をエンド・ツー・エンドで把握します。これは、ディスクアレイ、仮想化環境、レプリケーション、コストなど、ストレージ環境を構成するものを指し、それらの相関関係をとらえるものです。

 次のステップでは、企業におけるストレージの使用率を向上させます。ストレージ運用のどこに無駄があるか、使われていない個所がどこにあるかを洗い出します。プロビジョニング部分とそうでない部分、アプリケーションなどに使用されている部分など、詳細が把握できます。これによりストレージ運用に掛かるコストを最大20%削減できます。

 そして、次に考えるのはストレージの運用です。ストレージ環境のモニタリングやプロビジョニング、変更管理、プロセスの自動化などにより、運用の効率を上げます。 

 最後に、それらをビジネスプロセスと統合します。コストなどのビジネスに関連した情報を作成したり、現状のサービスレベルを測定します。

 これがストレージサービスマネジメントであり、Veritas CommandCentral 5.0は、この4つの段階を支援する製品群です。

image ストレージ管理を実現する4つのステップ。下から「現在の環境を把握」「使用率を向上」「運用を改善」「ストレージをサービスとして提供」となる
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ