実は、マイクロソフトのERP製品は、海外では9年前から販売展開されており、すでに7500社を超える顧客ベースがある。その意味では、同社のグローバル展開からすると、日本は後発だ。
その理由は、日本特有のパートナー企業との連携体制や、競合製品がひしめく中での市場性などさまざまな点が推測されるが、最新版「4.0」の投入とともに満を持して市場参入を図った格好だ。
これまでのマイクロソフトの“立ち位置”を考えると、同社にとって数ある日本のERPベンダーはまさしくパートナー企業であるだけに、新規参入のリスクは少なくなかったはずだ。
しかし、それを逆手にとるように、パートナー企業のソフトと組み合わせることを前面に押し出す戦略に打って出た。発表会見の段階では16社のパートナー企業が名を連ねたが、その中には複数の有力なERPベンダーもエンドースコメントを寄せていた。こうした状況を見る限り、パートナー企業との連携体制も、まずは順調にスタートしたようだ。
(「月刊アイティセレクト」2007年9月号のトレンドフォーカス「激戦!ERP市場 マイクロソフト参入で注目される『思想』の違い」より)
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