Oracle Database 11g、出荷開始は10月23日――まずLinuxから(1/2 ページ)

日本オラクルはデータベース製品の最新版「Oracle Database 11g」を10月23日に国内出荷すると発表した。

» 2007年09月04日 02時08分 公開
[横田貴司,ITmedia]

 日本オラクルは9月3日、データベース製品「Oracle Database」の最新版となる「Oracle Database 11g」を10月23日に国内出荷すると発表した。

 日本オラクルは同製品のリリースにあたって「Real Customer Release」というテーマを掲げている。このテーマは「顧客のバリューを第一に考えたリリース」と位置づけられるもの。これに基づく取り組みとして、従来の機能を継承しつつ、顧客からの要望を反映させた400を超える新機能を搭載している。

 この要望の主となるのは、運用管理コストの削減だ。日本オラクルによれば、国内のIT投資の約80%が運用管理に当てられているという。このため、競合他社との差別化や価値の創造のためのいわば「攻めの投資」が滞りがちになるという現状がある。Oracle Database 11gは、攻めの投資のためにまず運用管理コストを削減しようという考えの下、機能がラインアップされている。

運用テストのスムーズな実施

 Oracle Database 11gではこの問題を、システム変更時のテスト工数を削減することで解決する。セキュリティパッチの適用やシステムのアップデートなど、システム運用の現場では毎日のように変更が行われるが、この際に必ずテストが実施される。このテスト実施が運用管理における負荷となっているというのが、日本オラクルの考えだ。

 Oracle Database 11gの「Real Application Testing」は本番環境のアプリケーション解析・処理の抽出などのワークロードをキャプチャし、テスト環境で再現する。これにより、ワークロード作成期間を大幅に短縮するほか、従来の人工的なテストシナリオと異なり、本番環境を忠実に再現したテストを実施できる。

「Real Application Testing」でテスト準備期間を短縮できる

 「Oracle Data Guard」も同様に、運用テストを支援する機能である。これは、災害対策用などスタンバイ用のサーバリソースをテスト環境に利用するもの。テストのために本番サーバと同じ環境を用意するのは難しいが、スタンバイ用のサーバを使うことにより、これを実現できる。本番サーバの障害・災害時には、テスト時の更新内容を破棄し、もとの環境に戻した上で切り替わる。日本オラクルでは、これらの機能を活用することで、従来約140日かかっていたテスト準備期間を、約1週間に短縮できるとしている。また、Oracle Data Guardではレポーティング処理やバックアップ取得などの作業をスタンバイ用サーバで行い、本番サーバの負荷を軽減することもできる。

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