富士通が下り900MbpsのSuper 3G基地局開発、MIMOを利用

富士通と富士通研究所は、NTTドコモが提唱するSuper 3G対応の無線基地局の試作機で下り900Mbpsの伝送を実現したことを明らかにした。

» 2007年10月01日 16時12分 公開
[ITmedia]

 富士通と富士通研究所は9月28日、携帯電話の次世代通信規格Super 3G対応の無線基地局において、下り900Mbpsの伝送能力を実現する装置の試作に成功したと発表した。複数アンテナを利用する高速無線通信技術「MIMO」(Multiple-Input Multiple-Output)を応用することで実現したという。

 Super 3Gは、NTTドコモが3.5Gとして展開するW-CDMAベースの通信規格HSDPA(HSUPA)をさらに拡張した通信規格。標準化団体の3GPPでは「LTE」(Long Term Evolution)として仕様作成が進行中。

 Super 3G無線基地局メーカーに選定された両社はドコモと技術開発を進め、基地局と移動局の送受信にそれぞれ4つのアンテナ(4×4 MIMO)を利用するMIMOを適用した結果、20MHz帯、3セクタで下り900Mbpsの伝送能力を可能にする基地局装置の試作に成功した。

 両社は今後、今回のSuper 3G基地局試作機の開発成果を生かして、高性能ベースバンド処理、高効率アンプ(送信用増幅器)の技術を取り入れながら、小型、低消費電力のSuper 3G無線基地局装置の商用化を進めていくとしている。富士通は、10月2日より千葉県・幕張で開催される「CEATEC JAPAN 2007」に本試作機を展示する予定。

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