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» 2007年05月02日 08時00分 公開

次世代ITを支える日本の「研究室」:夢のモバイルWiMAX端末登場を阻む壁 (1/3)

期待されつつ、その実現の道筋が見えにくいWiMAX。だがここにきて、具体化への取り組みが海外を中心に活発になってきた。次世代携帯端末での標準化もとなえられる中、モバイルWiMAXには大きな弱点が存在していた。

[富永康信(ロビンソン),ITmedia]

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 無線LANや移動体通信と親和性が高い次世代の無線ブロードバンド技術として、モバイルWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)が注目されている。現在の無線LANであるWi-Fiに肉薄する最大75Mbpsのデータ通信を、移動環境(時速120km)で可能にし、特にIPによる従来モバイル通信の数分の1のコストで高速通信が実現すると期待されている(関連記事参照)。

WiMAXを取り巻く環境が活発化

 従来WiMAXは、ワイヤレスMAN(Metropolitan Area Networks:特定地域向けネットワーク)や地方都市の“ラストワンマイル”的な利用が考えられていた。しかし、その後可能性が拡大し、現在では家庭や事務所などの固定された通信環境でインターネットなど利用するIEEE 802.16-2004規格の「固定アクセスWiMAX」と、屋外で携帯電話と同様に移動しながら利用するIEEE 802.16e規格の「モバイルWiMAX」の2種類が規格として存在し、さらに両規格を整理統合する「802.16-2007」の標準化も進められている。

 モバイルでのWiMAXサービスインは、2008〜2009年ごろになるといわれているが、具体的なサービスのイメージは、ユーザーがどんなサービスを求めているか、あるいは事業者がどんなサービスをしたいかによって、その方向性が大きく変わっていく可能性もある。

 現在の動きで顕著なのは、第3世代(3G)と第4世代(4G)携帯電話の国際規格にWiMAXを加える案だ。各国の法制度や周波数問題を解決する手段として、一気に浮上した。

 WiMAXフォーラムと802.16ワーキンググループでは、3GであるIMT-2000の6番目の規格(*1)としてモバイルWiMAXが追加されるようITU-Rに提案しているという。また4Gに関しては、IMT-2000の後継となる「IMT-Advanced」に向けたプロジェクト「802.16m」において、通信速度100M〜1Gbpsを目指して標準化の検討がスタートし、2010年以降の運用開始をにらむ。

 一方、ベンダーの動向としては、長年WiMAXに注力する米インテルが、WiMAXとWi-Fiを統合した外付けカードのサンプル出荷を2007年中に予定。また、米スプリント・ネクステルは、モバイルWiMAXサービスを2007年末から開始し、2008年末には1億人が利用できるようにすると発表した。さらに、フィンランドのノキアはWiMAX対応基地局を07年末から、携帯端末を08年前半に投入するとしている。


*1 6番目の規格:IMT-2000の既存拡張規格(別名)は、W-CDMA、CDMA2000、UTRA-TDD、DECT、UWC-136/EDGE/GSM384の5つ


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