マスコミvs集合知、正しいのはどっち?――個人が情報選別能力を高める時代へオルタナブログ通信(1/3 ページ)

亀田騒動、初音ミク、製造日偽装、システムトラブル……、さまざまな事象が、マスメディアを通じて報道されている。しかし、その報道姿勢は正しいのだろうか。 オルタナティブ・ブロガーは、ITの時事ネタを独自の解釈から発信し、提案している。

» 2007年10月22日 16時36分 公開
[森川拓男,ITmedia]

亀田騒動で業界は何に気付いたのだろうか?

 最初に断っておくと、筆者はボクシングについて詳しい方ではない。しかし、亀田兄弟、亀田家については、ワイドショーやニュースなどで話題になっていることを知っている。同じように、それほど詳しくないという読者もそうだろう。そして、あのヒール(悪役)には好みが別れるところだ。

 10月11日。有明コロシアムで開催され、TBSテレビが中継したプロボクシングWBC世界フライ級タイトルマッチ「内藤大助×亀田大毅」において、事件が起きた。WBC世界フライ級王者・内藤大助氏に対し、挑戦者であるはずの亀田大毅氏が、とてもボクシングの試合とは思えない反則行為を繰り返し、1年間のライセンス停止処分を受けた。しかも、父・亀田史郎氏のセコンド・ライセンス無期限停止、兄・興毅氏の厳重戒告という処分もあった。

 この試合のテレビ放送は、関東地区で28.0%、関西地区で32.3%という高視聴率を獲得、瞬間最高視聴率は20時47分の関東地区37.5%、関西地区40.9%だという。筆者は裏番組を見ていたのだが、これには驚きだ。それだけ注目されていたということだろう。

 そしてオルタナティブ・ブロガーたちも、この話題を取り上げている。

 当日の昼に、その夜の試合について期待をにじませていたのが、北添裕己氏「トラパパ@TORAPAPA」に投稿された「New Ageな親子」だ。しかし、その期待は見事に裏切られ、裏切られた期待と時計の謎というエントリーを投稿している。

 川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」では、翌日に内藤 vs 亀田大毅 戦、処分決定後に亀田家の暴走を止める方法はあったのかを投稿。非常によくまとめられている。

 吉田賢治郎氏「けんじろう と コラボろう!」内藤、亀田戦に見る「約束」の意味と悪役への期待で、彼らが改めるべきことを“期待”としてまとめている。

 さらに大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」亀田選手は、ボブ・サップ!?では、ボブ・サップとの比較をしている。一方で、辻俊彦氏「キャピタリストの視点」では亀田大毅(18歳)と石川遼(16歳)というエントリーを投稿した。どちらも興味深いのだ。

 小林啓倫氏「シロクマ日報」スポーツ解説者としてのブロガーでは、実況するメディア側の問題について触れ、礼儀のない人間は強くなれないにおいて問題の根本原因についても触れている。鶴田裕史氏「IT業界のマーケティングを問う」に投稿された亀田問題よりも、報道や発言者に危惧ありも、深く考えさせられるエントリーだった。

 このように多くのブロガーが今回の出来事について話題としている。

 さて、その後の動きとしては、亀田大毅氏、亀田史郎氏、協栄ジム会長・金平桂一郎氏の3人による謝罪会見が17日に行われた。しかし、その会見もどちらかというと反感を買っているようだ。この騒動を見ていると、朝青龍問題を思い出すのは筆者だけだろうか。

 双方に共通するのは、礼儀や礼節に対する考え方が足りない点だと思う。朝青龍の場合、少年時代にモンゴルから来日し、本来ならばそこで教えられるべき礼儀や礼節などが欠落し、「強ければよい」という勘違いを増長させてしまった。亀田兄弟の場合も同じだ。父親によるボクシング指導は、「多少無理をしてでも勝てばよい」という練習があったのかもしれない。だからこそ、ルール無視の反則行為をしてしまったのではないだろうか。そのような意味では、亀田兄弟を史郎氏から離すことが、彼らを真っ当なボクサーへと成長させる近道なのかもしれない。

 内藤氏も「もう終わったこと」と語っているように、この問題自体は終結させるべきだろう。あるコメンテーターも話していたが、サッカーや野球など、スポーツではもっと面白く楽しい話題がいくらでもあるのだ。

 しかし、今回の騒動の根底にあるものは、今後も社会問題として検証すべき必要があるだろう。

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