イー・モバイル、国内最速のモバイルデータ通信サービスを開始――加入数は16万件超に(1/2 ページ)

イー・モバイルは、モバイルデータ通信では国内最速となる下り7.2Mbpsのサービスを12月から開始する。また、最新の加入数を16万件超と発表した。

» 2007年11月26日 19時47分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 イー・モバイルは11月26日、データ通信サービスの高速化と新料金プランを発表。同時に最新の事業動向について説明を行った。新サービスは、下り通信速度が現行の最大3.6Mbpsから7.2Mbpsになり(上りは384kbps)、モバイルデータ通信としては国内最速になる。

HSDPAの高速化でモバイルが固定ブロードバンドの領域を肩代わりする可能性も出てきたという
発表会場(都内ホテル)で行ったスピードテストでの実効速度。下りで約5Mbps、上りでは理論値である384kbpsに近い値となった

 発表された高速化サービスは12月12日に開始(受付開始は12月1日)され、専用のデータ通信端末「D02HW(中国Huawei製)」で利用できる。当初のサービスエリアは、札幌市と仙台市、首都圏、名古屋市、京阪神、広島市、福岡市を予定。月額通信料は据え置かれる。

高速サービスに対応したD02HW

 対応端末のD02HWは、12月12日に発売され、価格は料金プラン「いちねん」を契約した場合で9980円。同端末はシンガポールで導入実績があるという。対応OSは、Windows 2000 Professional SP4以降、Windows XP Professional/Home Edition SP2以降、Windows Vista、Mac OS X 10.3.7〜10.4.10(PowerPCモデル)/10.4〜10.4.10(Intelモデル)となっている。

 なお、既存端末はファームウェア更新などでは高速化サービスに対応できないため、既存契約者が利用する場合はD02HWを購入し、SIMカードを差し換える必要がある。既存契約者向けのD02HWの販売参考価格は、3万3980円になる見込みだ。

 新料金プランは、12月12日に開始する期間契約の「新にねん」と2段階定額制の「ギガデータプラン」を発表した。新にねんは、2年間の利用契約を条件に、初期費用から2万4000円、月額基本料から1000円割り引くもので、総額4万8000円の割引が適用される。従来の期間契約プラン「いちねん」「にねん」では、初期費用からそれぞれ2万4000円、4万8000円を割り引いていたが、「PDAに比べて安価なデータ通信端末は初期費用の実質的な割引メリットが小さく、長期利用でメリットの生まれる内容にした」(千本倖生代表取締役会長兼CEO)という。

 ギガデータプランは、月額3980円(年とく割プランは4980円)で1Gバイトまでのデータ通信が行え、1〜1.07Gバイトまでは1パケット当たり0.0105円の従量課金、1.07Gバイトを超える場合は9980円(同1万980円)の定額料金が適用される。1Gバイトのデータ通信は、PCメールに換算して1日当たり約2250通(1通15Kバイトと想定)、PCサイトでは同110〜170ページの閲覧に相当するサイズだという。

PC接続した場合のNTTドコモ、ウィルコムとの比較

 千本氏は、「自宅でもデータ通信カードを利用するユーザーが増え、新サービスは固定ブロードバンド(ADSL)に匹敵するパフォーマンスを実現する。ブロードバンドサービスではFTTHへの移行が注目されたが、実際には導入費用が高額なままであり、NTTも加入目標を下げた。今後のブロードバンド通信はモバイルが主役になるだろう。当社のサービスは、国内最速ながら定額制であり、さらには利用に(プロトコルなどの)制限のない世界でも最先端のサービスだ」と語った。

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