ソニーが環境活動を説明、2010年までにCO2削減を5万トンに

各企業がこぞって二酸化炭素削減計画を発表する中、ソニーも環境活動について説明会を開催。グリーン電力証書システムや資源の再利用など、計画ではなく実際の取り組みを紹介した。

» 2007年12月04日 17時58分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 ソニーは12月4日環境活動の説明会を開催し、再生可能エネルギーおよび再生プラスチックの活用への取り組みを発表した。2010年度までに二酸化炭素排出削減量を5万トンに拡大するという。

再生可能エネルギー導入の取り組み

 ソニーは、太陽光・熱・風力などの自然エネルギーや、動植物の排泄物などからメタンガスを取り出すバイオマスのように繰り返し使用できる再生可能エネルギーの導入に取り組んでおり、同エネルギーを購入する仕組み「グリーン電力証書システム」を利用している。

 これは、再生可能エネルギーが電気それ自体のほかに、化石燃料削減などの省エネルギーや二酸化炭素の排出削減といった価値(環境付加価値)を持つとみなし、環境付加価値分を企業が支払うことで、自然エネルギーを使用したと考えるシステム。企業には、発電と環境負荷削減に貢献したとして、グリーン電力証書が発行される。

 ソニーが契約したグリーン電力証書は2007年10月16日現在までに3640万キロワット時に上り、1万3760トンの二酸化炭素排出量を削減したことになる。これは、2002年度から再生可能エネルギーを導入している欧州ソニーグループのオフィスや工場の計9事業所で再生可能エネルギーを稼働していること、日本で新たに能代バイオマス発電所のグリーン電力証書と契約したことが要因という。

image 説明会の冒頭にはソニーの中鉢良治社長が登場。「工場やオフィス、製品、環境関連の研究開発、社会活動の4点から環境活動に着手し、グリーン電力提案や3R(Reduce:減らす、Reuse:再び使う、Recycle:再資源化)を掲げ、同時に太陽電池やバイオ電池といった研究開発への取り組みを強化する」と同社の環境活動を説明した

資源循環システムの構築

 ソニーは資源の削減と環境負荷の軽減を目的とした「Earthプロジェクト」を2007年3月から始めている。これは、グループ内で排出された製品部品や梱包材、社外の廃材などの回収ルート構築や再資源化から、植物原料プラスチックなどの素材、リユース材、リサイクル材などの循環材として活用するもの。

 説明会では、再資源化した循環材を2008年モデルの液晶テレビ「BRAVIA」に再利用する例が紹介された。家電リサイクルから回収した廃プラスチックを高品質のプラスチックとして再生して使用する。再生ポリスチレン材料を使うことで、新材より30〜40%の二酸化炭素を削減できる。国内製品の10%に再生ポリエチレンを採用し、10%のコスト削減を見込むという。

image 廃家電プラスチックを粉砕して、プラスチック部品を作り、BRAVIAやホームシアターなどの家電製品に利用する

 テレビに使用されるプラスチック部分の主原料であるポリスチレンは、回収時の異物除去や難燃性・耐衝撃性の確保が難しく、家電業界では再利用されていなかった。ソニーは、1990年代からテレビ製品について、難燃性や素材の統一などに取り組んでおり、それが大きく貢献しているという。

 ソニーでは、1990年代から再生プラスチックを使用している。2006年度の再生プラスチック(主に再生ポリスチレン)使用量は1万6000トンとなり、二酸化炭素にして1万8000トンの排出削減につながった。今後は2010年までに再生ポリスチレンの使用量を2006年後の約2倍にする見込みだ。

関連キーワード

ソニー | エコロジー | リサイクル | 省エネ


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ