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» 2007年11月26日 15時59分 公開

「IT、で、エコ」のNEC、5年で91万トンのCO2削減計画

2012年までにIT機器のCO2排出量を累計91万トン削減する計画をNECが策定した。各ベンダーがCO2削減に本腰を入れる中、これまで取り組んできた同社の環境経営をより具体化させた。

[藤村能光,ITmedia]

 NECは11月26日、ITプラットフォームの省電力製品、技術、サービスの開発および提供における計画と活動を策定した「REAL IT COOL PROJECT」を発表した。2012年までに顧客のITプラットフォームの消費電力を年間50%、累計で約91万トンの二酸化炭素削減を目指す。

 環境白書によると、日本の二酸化炭素の排出量は1990年から2005年までに8%増え、とりわけオフィスビルやデータセンター、IT機器など業務にかかわる排出量は同じ期間で44.6%増加している。また、2012年までに温室効果ガスの排出量を1990年に比べて6%削減することを目指す京都議定書の第一約束期間が2008年から始まる。IT機器を利用するあらゆる企業では、二酸化炭素の削減と省電力化が共通の課題となっている。

image 日本のIT機器電力消費量は、2025年までに日本全体の消費電力の約20%になると見られる。経済産業省が「グリーンITプロジェクト」を主導する中、各企業でも省電力化の動きが見られる

 NECはREAL IT COOL PROJECTを基に、サーバやストレージなどの省電力製品を提供する「省電力プラットフォーム」、IT機器の省電力機能を制御し電力削減を目指す「省電力制御ソフトウェア」、データセンターやマシンルームの冷却/電源設備の消費電力を削減する「省電力ファシリティサービス」の3つの観点から省電力化に取り組む。

image 「IT、で、エコ」の経営コンセプトを基に、NEC製品の生産と顧客の製品利用で出る二酸化炭素を2010年度までに実質ゼロにすることを目指すNEC。今回定められた削減量は、同社IT機器の出荷台数がIDC予測の2006年〜2011年の伸び率で増え、かつすべての出荷機器が顧客環境で5年稼働していると仮定した場合の量

 省電力プラットフォーム分野では、スーパーコンピュータやメインフレームの開発による独自技術を基に、半導体ディスクの採用や次世代液冷技術、92%の電源変換率を持つ高効率電源(現状のPC/サーバ用電源の変換効率は70〜80%)、300ボルト以上の高電圧直流電源などを開発する。これらを同社のブレードシステム「SIGMABLADE」やストレージ「iStorageシリーズ」などに応用する。

 省電力制御ソフトウェア分野では、プラットフォーム管理ソフトウェア「WebSAM SigmaSystemCenter」と統合管理ソフトウェア「WebSAM MCOperations」を用いて、システムに応じた消費電力の制限や負荷のかかるサーバの自動電源切断、機器の熱源を検知して発熱を均等化する冷却技術などを開発する。

 省電力ファシリティサービスは、IT機器の発熱をシミュレーションし、IT機器と空調設備の最適な設計やレイアウトを提案するサービスを予定している。

 また同社は、高さ2メートル、19インチのラックマウント筐体に500コアを収納できる省電力サーバ「ECO CENTER」(開発コード名)を2007年度末に発売予定。同社のデュアルコア搭載ラックマウント型IAサーバに比べて最大75%の設置スペース削減、60%の軽量化および省電力化が実現する。

image データセンターに最適な高密度、省電力サーバ「ECO CENTER」

 同社の丸山好一執行役員常務は、「京都議定書の策定などにより企業の各部門に二酸化炭素の削減目標が割り当てられていることや、原油高の高騰を背景に電気代の削減が必要となるなど、これまで顧客の製品調達条件に挙がらなかった省電力というニーズが高まっている」と述べた。

 ほかの企業の省電力化プロジェクトとの違いについて丸山氏は、「削減目標数値などの計算ロジックが違うので単純には比較できないが、NECは具体的なサービスや製品を随時投入していく」とした。

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