単一バージョンのマスターデータを――インフォテリアがMDMソリューションを発表

インフォテリアは、MDMソリューション「ASTERITA MDM One」を発表した。システムごとに分散した顧客や製品などのマスターデータを統合的に管理するためのソリューション。2008年2月から順次提供する。

» 2007年12月04日 18時12分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 インフォテリアは12月4日、マスターデータ管理(MDM)ソリューション「ASTERITA MDM One」を発表した。2008年2月から順次提供する。

 システムごとに分散した顧客や製品などのマスターデータを統合的に管理するためのソリューション。「Master Hub」と「Master Maintenance Interface」の2製品および、データ品質を高めるサービス「Data Quality Service」、統合マスター用テンプレートを含むコンサルティング支援サービス「Generic Template Service」の4つで構成される。

 オープン化が進み業務ごとに個別にシステムが開発されるようになった現在では、顧客や製品などマスター情報はシステムごとに個別に管理されるようになり、統一されていない。情報のレベルが一致していなかったり、同期のタイミングがずれて不統一が起こる。

 同一人物である顧客の情報がサービス間で共有できず、顧客満足度を低下させる原因になったりするほか、新規サービスを投入する場合にも適切な案内ができないなど、マスターの不整合はビジネスの機動力を奪うことになる。

山崎将良氏 インフォテリアエンタープライズ事業部製品戦略マネジャーの山崎将良氏

 インフォテリアはこの課題に対し、既存のシステムを生かしながら段階的にマスターデータを統合するボトムアップ型のアプローチを提案。同社エンタープライズ事業部製品戦略マネジャーの山崎将良氏は「トップダウンで1つの統合マスターをつくるのではなく、単一のバージョンをつくるボトムアップ型のアプローチの方が、一見遠回りに見えるが結果的には近道になる」と話す。

 「正」とするマスターの入ったシステムから抽出した情報で、レポジトリを作成し、「Master Hub」を介して各システムへ渡す形をつくり、シングル版のマスターデータをレポジトリ上に構成しながら、段階的にマスターの範囲を広げ、統合的にマスターを管理できるようにする。

 まずは2月にデータ連携ハブとなる「Master Hub」と、トリリアムのデータクレンジングツールを用いたデータ統一サービスを提供。2008年春には、統合マスター管理機能を提供する「Master Maintenance interface」と、統合マスター用テンプレートを提供するコンサルティングサービスを提供する。

 価格はMaster Hubが400万円(2CPU/3システム連携)から、Data Quality Serviceは200万円から、としている。

 インフォテリアエンタープライズ事業部製品戦略マネジャーの山崎将良氏は「ASTERIAで培ってきたEAIでのノウハウを生かし、日本発の本格的なMDM(マスターデータ管理)ソリューションを提供していきたい」と話す。

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