ニュース
» 2007年12月12日 18時05分 UPDATE

Sunのオープンソース支援に、元社員が疑問符

Sunの元社員が、Sunに脅されてオープンソースプロジェクトの所有権を放棄したとし、同社の「敵対的戦術」を非難している。

[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Sun Microsystemsは自社のオープンソースプロジェクトへの支援拡大を広く提案しているにもかかわらず、元Sunの社員が開始したオープンソースプロジェクトの扱いに関して批判されている。

 元Sunのエンジニアが、Sunが強引な手法を使って「OpenDS(Open Directory Service)」というオープンソースプロジェクトの支配権を取り上げようとしたと批判、オープンなオープンソース技術をサポートするSunの姿勢自体が疑わしいと示唆している。

 だがSunの関係者はこの主張を否定している。また同社は最近、オープンソースプロジェクトの支援に専心していることを示した。同社は12月5日に、革新を支援し、世界中のSun後援のオープンソースコミュニティーで生まれた興味深い取り組みを認定する複数年プログラム「Open Source Community Innovative Awards Program」を発表した。

 このプログラムの1年目の参加者として、SunはGlassFish、NetBeans、OpenJDK、OpenOffice.org、OpenSolaris、OpenSPARCの6つのコミュニティーを選んだ。賞金は合計で年間100万ドル以上になるとSunの担当者は言う。

 しかし11月28日にはSunの元ディレクトリサービス部門エンジニアでOpenDSプロジェクトのオーナー、ニール・ウィルソン氏が自身のブログで、Sunが同氏とその仲間数人を脅して、OpenDSの支配権をSunに渡すよう要求したと伝えた。OpenDSはフリーのJavaベース次世代ディレクトリサービスを構築するオープンソースコミュニティープロジェクトで、大規模配備に対処し、高性能と高拡張性を実現し、配備、管理、監視を容易にすることを目指していると、プロジェクトの説明文にはある。

 ウィルソン氏は2001年10月にSunに入社し、2007年9月に、ほかのOpenDSプロジェクトオーナー3人とともにレイオフの通達を受けたとしている。Sunからレイオフされたものの、同氏らOpenDSリーダーは、その後も同プロジェクトに参加し、幅広く貢献してきた成果を共同で管理し続けるつもりだったという。

 だが、ウィルソン氏は次のように述べている。「2007年11月14日に、Sunのソフト部門幹部の1人が、最近レイオフされたOpenDSプロジェクトオーナーの1人に電話してきて、Sunにプロジェクトの完全な権限を渡す形でのガバナンスの変更を要求した。この電話で、この変更を行わなければ、即時解雇され、退職金をすべて失うかもしれないと脅された。オーナーの4人の元Sun社員はこの件を協議し、良心に従って、要求は飲めないとの決定に至った。要求を受け入れることは、プロジェクトの最善の利益にならないと考えたためだ。だが、Sunが脅しを実行することにした場合に生じ得る多額の金銭的な損失というリスクを積極的に取る気にもならなかった」

 「われわれは結局、所有権を放棄し、2007年11月19日にこのプロジェクトとのかかわりを絶たざるを得なかった」とウィルソン氏。

 同氏は、OpenDSの支配権を得ようとするSunの「敵対的戦術」を非難しつつも、「これは確かに、われわれが推進しようとしていた、あるいはSunが体現していると主張しているオープンソースとオープン開発の精神ではない」と付け加えている。

 さらに同氏はこうも述べている。「Sunのジョナサン・シュワルツCEOや、チーフオープンソースオフィサーのサイモン・フィップス氏のような個人による公式声明は誠実なものであり、Sunは真にコミュニティー中心のオープンソース企業になりたがっていると信じているし、そう望んでいる。彼らがOpenDSに起きたことを知っている、あるいはそれに関与したと信じる理由はない」

 本稿掲載時までに、Sunからコメントを得ることはできなかった。しかし、公平を期して言うと、この件に関して主に広報対応しているフィップス氏は1週間のアジア出張に出かけており、SunはeWEEKにフィップス氏への取材を約束した。

 Forrester Researchのアナリスト、マイケル・ゴウルド氏は、次のように語る。「ウィルソン氏がこれをやったとかあれをやったとかには、われわれは興味はない。それよりも、OpenDSプロジェクトの今後や、Sunが同社技術を活用するオープンソースコミュニティーの成長を真剣に認めているのかどうか、Sunがコミュニティーを管理しようとすることがコミュニティーを押さえつけてしまうのかが気になる」

 RedMonkのアナリスト、スティーブン・オグレディ氏も同意見だ。「皆にとって残念なことで、どの関係者のためにもならない」と同氏。「公開されているSVN(サブバージョン)の履歴を見ると、管理体制が変わったことは事実だ。しかし、誰が何を、いつ、どうして変えたのか、その件で誰が相談を受けたのかは水掛け論だ」

 「Sunのオープンソース周りの発表に夢中になっている人たちは、コミュニティーのガバナンスが重要だという痛切な事実を無視してきた」と今回のOpenDSの件を見守ってきたEclipse Foundationのエグゼクティブディレクター、マイク・ミリンコビッチ氏は言う。「Sunは多くのコミュニティー――Java/JCP、OpenOffice、OpenJDK、そして今はOpenDS――で、オープンソースリーダーの役割を担ってきた長い実績がある。その結果、これらのプロジェクトはオープンソースやフリーソフトコミュニティーではなく、Sunの株主の利益のために運営されている。関係者はそれを忘れている」

 IBMのLinuxストラテジスト、マイケル・ドラン氏はブログで次のように述べている。「SunがOpenSolaris、OpenDSなど自ら管理するオープンソースプロジェクトでやっていることで驚くことがあるとしたら、その唯一の理由は、ソースコードの利用がそれ以上のものを意味するという期待を作り出したことにある――それは間違った思いこみなのだが」

原文へのリンク

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ