「Visual Studio 2008」の日本語版をリリース

マイクロソフトは、最新のアプリケーション統合開発環境「Visual Studio 2008」の日本語版を発表した。製品構成を強化し、初心者からプロフェッショナルまで幅広い活用が可能になった。

» 2007年12月14日 20時45分 公開
[伏見学,ITmedia]

 マイクロソフトは12月14日、ソフトウェアの統合開発環境「Visual Studio 2008」の日本語版を発表した。北米では先月すでに製造工程向けリリース(RTM)を完了し、出荷を開始している。

 同製品は、「Windows Vista」「Windows Server 2008」「2007 Office system」「SQL Server 2008」に対応したアプリケーションを開発するためのもの。アプリケーションのプラットフォームである.NET Framework 3.5や、C# 3.0、Visual Basic 9.0などの開発言語に対応する。アプリケーションライフサイクル管理(ALM)を強化し、「Team System」「Professional」「Standard」「Express」の4つのエディションを提供する。学生やホビーユーザーからアーキテクトや開発者などの上級者まで、段階に応じた開発環境の利用が可能になる。

「期待感を持っている」と強調する市橋暢哉氏 「期待感を持っている」と強調する市橋暢哉氏

 デベロッパービジネス本部で業務執行役本部長を務める市橋暢哉氏は、ALMについて「日本は欧米と比べて3、4年遅れている」と述べた。原因は開発の形態にあるという。従来日本では、外部のシステムインテグレーターなどが中心になってアプリケーションを開発しており、ユーザー企業の利用者が求めるものとは温度差が生じることが多かった。一方、欧米ではユーザー企業のエンドユーザーが開発の中心にいるため実用的なアプリケーションを開発しやすいという。

 Visual Studio 2008のコンセプトついて、市橋氏は「ユーザーエクスペリエンス」の重要さを繰り返し強調した。ユーザーエクスペリエンスには、デザイン性の高さや使い勝手だけでなく、セキュリティ面での安心感や信頼感、サーバを構築する際の迅速さなどが含まれる。

 無償で提供するExpressの英語版は、半月でダウンロード数が18万件を超えたという。「日本の開発市場における成功を肌で感じている」(市橋氏)と自信をのぞかせる。

「Visual Studio 2008」は4つのエディションで構成対応パートナー企業 「Visual Studio 2008」の製品構成(左)と、対応パートナー企業

 今回の発表に当たり、Visual Studio 2008の対応パートナー企業28社を紹介した。既に具体的な製品開発が進んでいるという。

 価格は、Team System 2008のスイート製品が150万円(税別)、Professionalが12万8000円、同アカデミック版が1万2800円、Standardが2万9800円。

 開発者向け支援サービスとなる「Visual Studio with MSDN Subscription」の会員は同日から入手できる。2008年2月1日にはボリュームライセンスが、同月8日にはパッケージが販売される。

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