数分で溶解するブレードサーバ1940年代から変わらないサーバルーム(1/3 ページ)

データセンターの電力インフラはいまだ課題が多く「1940年代の技術のまま」という意見も聞かれる。省エネ、冷却、湿度管理など、管理者を悩ます問題の解決法を探る。

» 2007年12月17日 07時00分 公開
[Tom Kaneshige,TechTarget]

このコンテンツは、オンライン・ムック「サーバ祭2007」のコンテンツです。関連する記事はこちらでご覧になれます。


電力技術は1940年代から変わらない

 今から2年前、バミューダの印刷会社ビスタ・プリントのデータセンターを管理するプロバイダーが、エネルギーコストの上昇を踏まえ、ビスタ・プリントに省エネ化を検討するよう強く促した。そこで同社は、電力消費を75%削減するために仮想サーバの導入を決定するとともに、1年使用した物理サーバを省エネタイプのサーバにリプレースし、屋外に熱気を排出するエアコンを設置した。「われわれが投資を加速したのは、グリーン化による利益を得るためだ」とのCOOウェンディ・セビュラ氏。

 ビスタ・プリントでは、今後3年間で50万ドルの経費と、今年だけで数トンの二酸化炭素排出量を削減できると期待している。

 実際、サーバの仮想化はデータセンターの省エネ化ベストプラクティスのトップにリストされており、多くのCIOたちが仮想サーバ群を数台の物理サーバに統合している。IBMやHP、デルといった大手メーカーのブレードサーバとともに、今や絶好調のVMware(この夏、IPOで10億ドルを調達した)が提供するサーバ仮想化ツールが、コンピューティング密度を新しい次元へと押し上げた。

 調査会社IDCでは、米国内で今年販売されるサーバの10%はブレードになると予測する。「ここにきて高密度サーバは爆発的に販売を伸ばしている。2007年はまさに踏み切りラインを越えた」と、同社グローバル・エンタープライズ・サーバソリューション担当副社長のジーン・ボズマン氏は話す。

 残念ながら電力インフラは、データセンター技術の進展に追随できていない。バッテリーや発電機、消火器などは、10年前とそれほど変わっていないのだ。アマゾン・ドットコムの副社長でCTOのウェーナー・ボゲルズ氏は「データセンターの電力は1940年代の技術だ」と語る。言い換えれば、データセンターは今も有限なエネルギーを利用しており、その状況がすぐに変わることはないということだ。従ってCIOは、限られたスペースの中で無駄なエネルギー消費を抑えるために、サーバの密度を高め、効率的に冷却する方法を見つけなければならない。

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