今年、BPMが脚光を浴びた背景には、SOA(サービス指向アーキテクチャー)アプローチによる柔軟なシステム構築の広がりもある。
テックバイザージェイピーの栗原氏は、「SOAとBPMは極めて相性がいい」と話す。
SOAでは、業務に合わせて再利用可能な粒度でアプリケーションを部品化し、それらをサービスとして捉え、組み合わせてシステムを構築する。これはアプリケーションの部品化であると同時に、仕事のやり方の標準化・部品化でもある。
つまり、ビジネスプロセスのある部分が変化すれば、それに対応するアプリケーションの部品を変更したり、既にある別の部品に置き換えてやる、という最小限の対応で済むし、手順が変わっただけなら、呼び出す順序を入れ換えてやれば済む。
「ビジネスプロセスの部品がソフトウェアの部品に直接対応し、業務の変更を素早くシステムの実装に反映できる」と栗原氏は指摘する。
IBM、BEA、OracleといったSOAのための基盤製品ベンダーが、BPM製品に力を入れているのは、SOAとBPMの相性の良さを表しているし、パッケージアプリケーションの雄であるSAPもSOAアプローチでアプリケーション資産を部品化し、ユーザー企業に俊敏性をもたらそうとしている。
仕事のやり方を可視化するモデリングとBPMとを直接関連づけることが難しかったり、評価のための指標として適切なKPIを定義することが難しかったりと、まだまだ課題は多いが、BPMは2008年に企業が検討すべき取り組みのひとつになることは間違いないだろう。
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