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» 2008年01月29日 15時18分 公開

今年は企業がEnterprise 2.0エンジンを始動――Forresterが予測

新興ベンダー各社が提供する「Enterprise 2.0」機能は成熟しつつあるが、Forresterによると、今後もMicrosoftが市場を支配する見通しだ。

[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 調査会社のForrester Researchが1月28日に公表した報告書によると、企業は今年、従業員間のコラボレーションの効率と生産性を改善するために、ブログ、Wiki、マッシュアップ、ソーシャルネットワーキングなどのツールを活用するようになるという。

 多くのIT部門はこれまで、Web 2.0技術は軽薄なコンシューマーツールであるとしてその採用を拒んできたが、Forresterのアナリストらは、Web 2.0は優先課題ではないと答えた42%の企業の半数が、年末までに同技術を優先リストに含めると予想している。これらの企業では、コンシューマー指向のWeb 2.0がエンタープライズWeb 2.0に進化するという。

 Forresterのアナリスト、G・オリバー・ヤング氏は、この潮流の変化を促す要因の1つとして、2007年にヘルプデスクでの問題解決やITプロジェクトの管理にWeb 2.0ツールを試したIT部門が今年、これらのツールを個々の業務部門に広く配備し始めることを挙げている。

 加えて、ITスタッフの抜け駆けという要因も考慮する必要がある。ヤング氏によると、多くのナレッジワーカーが自分のブログに記事を投稿したり、Facebookなどのソーシャルネットワークを利用して社内の人間と結び付いたりしており、ITマネジャーはこういったコラボレーション用にもっとセキュアな手段を従業員に提供するために企業向けのツールを配備するようになるという。

 これは、1月21日の週に開催されたIBMの「Lotusphere」ショウの主要なテーマでもあり、「ナレッジワーカーはブログ、Wiki、ソーシャルネットワークを求めている」と同社幹部は参加者に語った。自社でサポートするツールを提供することにより、企業はセキュリティリスクを軽減することができるという。

 これまで、Web/Enterprise 2.0関連の技術やベンダーの買収をめぐる動きはあまり活発ではなかった。Forresterでは、この傾向は今後も続くとみている。

 ヤング氏によると、IBM、Microsoft、Oracle、SAPといった大手ベンダーが有機的に成長する見込みだ。しかし同氏は、GoogleやSalesforce.comといった未知数の新興勢力がSaaS(Software as a Service)市場でWeb 2.0ベンダーの買収に動くことも予想されるとしている。ただし3年もすれば、この状況が変わる可能性があるという。Web 2.0ベンダー各社が成熟し、厳しい競争の中で必死に生き残ろうとするからだ。

 どんな市場であれ、CokeやPepsi、CrestやColgateなどのように強固な基盤を確立した既存製品の地位を奪うのは難しいものであり、MicrosoftのSharePointは今後も「市場を制圧するだろう」とヤング氏は話す。

 同氏によると、挑戦者たちはSharePointのWiki、ブログ、ソーシャルネットワーキング機能の品質が低いと批判しているが、Microsoftは2008年もこのコラボレーションスイートの大きな訴求力を維持するだろうとしている。もう1つのポイントとして、多くのナレッジワーカーが既にSharePointを利用しているため、小規模なWeb 2.0ベンダーがMicrosoftとの提携を目指す可能性も高いという。

 では、企業は今年、どんなエンタープライズWeb 2.0技術を採用するのだろうか。Forresterの予測によると、企業が2007年にテストしたエンタープライズRSSフィード、マッシュアップ、ソーシャルネットワークなどのツールが2008年に普及する見込みだ。

 社内で配信されるコンテンツを最新の状態に維持するにはRSSの導入が必要であり、Forresterでは20%の企業が年末までにRSSの導入を検討すると予想している。さらに同社によると、RSS技術戦略担当者は、従業員が有望見込客に関する情報を見逃さないようにするために、できるだけ多くのブログ/Wikiベンダーとの提携を進めるべきだという。

 Forresterでは、IBM、Microsoft、Serena Softwareが今年、マッシュアップ技術の成熟に伴う果実を手にすると予想している。IBMは1月21日、Lotusphereにおいて同社初の商用マッシュアップ製品「Lotus Mashups」を披露した。しかしマッシュアップやウィジェットの標準化をめぐっては、まだ多くの課題が残されている。

 また、Forresterのアナリストは、企業向けソーシャルネットワーキング技術とビジネスを結び付ける方法に関して多くの問い合わせを受けているようだ。この分野で一歩リードしているのが、2週間前にContact Networksを買収したThomsonだというのが大方の見方だ。

 Forresterによると、このホットなトレンドは、Awareness Software、Jive Software、IBMなどが提供するソーシャルネットワーキングスイートにとって追い風になるという。なお、IBMの「Lotus Connections」は年内にバージョン2.0が登場する見込みだ。

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