株取引分野で台頭するオープンソースの理由O'Reilly Money Tech(2/2 ページ)

» 2008年02月12日 08時51分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK
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 企業のプロフィールに関する情報や投資コンセプト、チャート分析などをユーザーが提供できる調査ポータルのWikinvestは、オープンソースの「MediaWiki」パッケージをベースとして構築されている。MediaWikiは元々、Wikipedia用に開発された技術だが、現在ではその用途に応じてカスタマイズされる。

 しかしWikinvestの共同創業者のマイケル・シャー氏は、「プラットフォーム自体はもはや付加価値にはならない」と話す。同社に価値をもたらすのは、ユーザーがサイト上で生成した投資や調査に関するコンテンツだという。

 Wikiは新しい透過的なツールで、多数の人々が1つのドキュメント上で共同作業をすることにより、優れたコンテンツの作成を可能にする。新興のWeb2.0企業であるWikinvestでは、これまでに2000人以上の人々がコンテンツを提供しており、編集項目は10万件を超える。

 「このツールは、無料の投資情報を人々に提供するという素晴らしいチャンスをわれわれに与えてくれた。これまでは、人々がこういった情報を手に入れるには、金融サービス会社にお金を払わなければならなかった。ビジネスの観点から見れば、現在では広告が当社にとって潜在的な収益源になっている」とシャー氏は米eWEEKの取材で述べている。

 Wikinvestは「Money:Tech」カンファレンスで、新しいデータサービスを立ち上げる予定だと発表した。これは、各分野に特化した専門企業のサービスに匹敵する生産性とパフォーマンスを提供するという。そのコンテンツの大半はユーザーによって作成される。

 ユーザーのコラボレーションを活用しているもう1社の金融分野のWeb2.0企業がCovestorである。同社では、個人投資家が投資情報を共有したり、ほかの人を手助けすることによって手数料を稼ぐことが可能な共有サービスを無償で提供している。

 Covestorのリチャード・タータCEOによると、同社のサービスの会費は無料で、すべてのデータは匿名でプライバシーが守られている。同サービスの会員がオンライン取引アカウント情報を入力すると、自分のポートフォリオがサイト上に表示され、総合指標、個別業種指標およびリスクプロファイルに対する相対的実績がシステムによって生成されるという。

 「ほかの会員のポートフォリオに占める個別株式の割合や、チャートなどの関連データを見たり、ソーシャルネットワーキングのような環境で自分の投資状況を追跡することができる」とタータ氏は話す。

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