日本オラクル、旧Hyperionベースの統合業績管理システムを発表

日本オラクルはエンタープライズ・パフォーマンス・マネジメント戦略を発表した。米Oracleが2007年6月に買収したビジネスインテリジェンス大手、旧Hyperionの経営分析ソフトを加える。

» 2008年02月28日 20時08分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 日本オラクルは2月28日、エンタープライズ・パフォーマンス・マネジメント(EPM: 統合業績管理)戦略を発表した。米Oracleが2007年6月に買収したビジネスインテリジェンス(BI)大手、旧Hyperionの経営分析ソフトを加え、企業向けの統合業績管理基盤の提供に力を入れる。

 新たに提供するのは統合業績管理基盤「Oracle|Hyperion Enterprise Performance Management(EPM)System」。ユーザー企業は、経営戦略を中心に計画と実行をひも付けて管理できる。目標に対する財務上、業務上の結果を監視し、企業全体の業績を改善するための分析ができる。

米Oracleでビジネス・インテリジェンスおよびパフォーマンス管理担当の上級副社長を務めるジョン・コプキ氏も出席。「戦略目標と実業務をリンクできる」とアピールした

 Oracleはこれまで「お金の見える化が苦手だった」とされる。Hyperionの買収により「財務領域を強化でき、EPMが本格的に実践できるようになった」(同社)としている。EPMにより、コンサルティングなどのパートナー企業が、財務の視点から解決策を提示できるようになることも利点。

 例えば、Hyperion Planningを利用すると、予算編成と予測プロセスに時間がかかり過ぎたり、政治と交渉で大変だったりといった計画策定と予算編成の課題が解決できる。具体的には、柔軟な「what ifシナリオ」、ワークフローとプロセス管理機能などにより、計画サイクルの短縮化とビジネスの予測性能の改善を見込める。

Oracle|Hyperion Enterprise Performance Management(EPM)Systemのイメージ

 システム面を見ると、SAPやOracleなどのソフトウェア、各種データウェアハウス、OLAPなどさまざまなデータソースから吸い上げたデータを、まずはFusion Middlewareで統合する。

 そのデータを、旧HyperionのEssbaseや、BI Server、Predictive AnalyticsといったBI基盤で分析する。それを今回の中心となるパフォーマンス・マネジメント・アプリケーションで専門的に分析し、連結管理、予算計画、戦略的プランニング、損益管理などを実施するという流れだ。役員、財務担当者、人事、営業といったさまざまなユーザーが、PCや携帯電話などを使ってデータを活用できるようになる。

 Oracle|Hyperion EPM Systemの戦略パートナーには、アクセンチュア、トーマツコンサルティング、アビームコンサルティング、日立コンサルティング、CSKシステムズ、ベリングポイント、電通国際情報サービスがある。

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